沈光ちんくわう)” の例文
これをつながんとするにおほいなる旗竿はたざをたふさずしては如何いかんともなしがたし。これをたふさんは不祥ふしやうなりとて、あふいで評議ひやうぎ區々まち/\なり。沈光ちんくわうこれをわらつていはく、仔細しさいなしと。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ずゐ沈光ちんくわうあざな總持そうぢ煬帝やうだいつかへて天下第一てんかだいいち驍捷はやわざ達人たつじんたり。ていはじめ禪定寺ぜんぢやうじ建立こんりふするときはたつるに竿さをたか十餘丈じふよぢやうしかるに大風たいふうたちまおこりてはた曳綱ひきづないたゞきよりれてちぬ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
沈光ちんくわういたゞきよりひつくりかへりざまに梯子はしごひかへたるつなにぎり、中空なかぞらよりひとたび跳返はねかへりてけんふるふとへり。それ飛燕ひえん細身さいしんにしてよく掌中しやうちうふ、絶代ぜつだい佳人かじんたり。沈光ちんくわう男兒だんじのためにくものか。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)