トップ
>
業病
>
ごうびょう
ふりがな文庫
“
業病
(
ごうびょう
)” の例文
六郷川の中洲の蘆間にただ一度の
契
(
ちぎ
)
りから、海賊の娘と旗本の若殿との間に、
業病
(
ごうびょう
)
の感染。
悪因縁
(
あくいんねん
)
の
怨
(
うらみ
)
は今も
仰々子
(
ぎょうぎょうし
)
が語り伝えている。
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「惜しい人がなくなる。これも天命だろう。それにしても、この人にこの
業病
(
ごうびょう
)
があろうとは。この人にこの業病があろうとは。」
現代訳論語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
曲者の体は、そのために
業病
(
ごうびょう
)
のように腫れあがって、やぶれた傷口は
柘榴
(
ざくろ
)
の如く
膿
(
う
)
み、そこから白い骨が見えるほどだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この度立ちかえりて、父の病いが
業病
(
ごうびょう
)
なりしことを知りおどろき、ましてやその姿を由利どのに見られし悲しさは、たとえるものもこれなく
候
(
そうろう
)
。
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「あんた、なんか
業病
(
ごうびょう
)
があるんじゃない。だって指先に一向力がはいらないじゃないの」責任者のお
紋
(
もん
)
というのに、光枝はたっぷり
皮肉
(
ひにく
)
をいわれた。
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
いくら年を取っても一人で不自由なく歩く事のできる人間が
幾人
(
いくたり
)
あるかと思うと、何の
因果
(
いんが
)
でこんな
業病
(
ごうびょう
)
に
罹
(
かか
)
ったのかと、つくづく辛い心持が致します。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは、どの様な
業病
(
ごうびょう
)
に死んだ者も、
或
(
あるい
)
は死刑囚さえもが、
味
(
あじわ
)
ったことのない大苦痛と云わねばならなかった。
お勢登場
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
さて
洛中
(
らくちゅう
)
洛外
(
らくがい
)
の非人乞食で大病難病を
患
(
わず
)
らふ者を集め、風呂に入れて五体を
浄
(
きよ
)
め、暖衣を与へて養生をさするに、
癩瘡
(
らいそう
)
なんどの
業病
(
ごうびょう
)
も
忽
(
たちま
)
ちに全快せぬはない。
ハビアン説法
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
「まるで
業病
(
ごうびょう
)
かかさ持ちの女を嫁に取るみてえなもんだ、こっちはちっともいいおもいをしねえで、血の腐った子や孫ができる、そんなものはおめえまっぴらだ」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
不知庵主人内田
魯庵
(
ろあん
)
があり、漢詩の大家で、
業病
(
ごうびょう
)
にかかり妹の
曾恵子
(
そえこ
)
を熱愛していた義弟勇三郎がその病の特効薬だときいて、他人の尻肉を
斬
(
き
)
りとったりしたのち
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
すると昨年の十一月から伊之助が
業病
(
ごうびょう
)
に取附かれまして、その足へ
腫物
(
しゅもつ
)
が出来まして、どうも痛んで
堪
(
こら
)
えられないばかりでなく、
放棄
(
うっちゃ
)
って置くと
漸々
(
だん/″\
)
腹の中まで腐れ込むと医者が申しますで
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
而
(
しか
)
も、それは恐ろしい
業病
(
ごうびょう
)
なのだ。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
覗
(
のぞ
)
いてみると、女のお
菰
(
こも
)
だの、
業病
(
ごうびょう
)
の
乞食
(
こつじき
)
だの、尺八を持った
骸骨
(
がいこつ
)
みたいな
菰僧
(
こもそう
)
だの、傀儡師だの、年老いた顔に白いものを塗っている辻君だの
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
床の上へ坐っているのは、
業病
(
ごうびょう
)
も末になったのであろう。顔は崩れ、声は
嗄
(
か
)
れて、齢さえも定かでない老人であった。
乳を刺す:黒門町伝七捕物帳
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
私
(
わたくし
)
は
此様
(
こん
)
な
業病
(
ごうびょう
)
に成りましたもんだから、
彼
(
あれ
)
が私を介抱するので内職も出来ませんゆえ追々其の日に追われ、何も
彼
(
か
)
も売尽して仕方がない処から、彼が私に内証で袖乞に出る様な事に成ったので
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
刑部は、
業病
(
ごうびょう
)
だった。もう十年余り前から、
病兆
(
きざし
)
が出て、今では一見してそれと分る癩の
相好
(
そうごう
)
をしている。
大谷刑部
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なんという奇病——
業病
(
ごうびょう
)
——かと金吾の
焦
(
じ
)
れる
病
(
やまい
)
の謎をとくものは、お粂以外にはないでしょう。筑波屋に滞留中も、附近の医者にみてもらいましたが、
所詮
(
しょせん
)
、病の名すらも分らない。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
盗
(
ぬす
)
ッ
人
(
と
)
市
(
いち
)
の晩、
真土
(
まつち
)
の黒髪堂の前で日本左衛門のために思わぬおくれをとって気を失なったこと、また、それからお粂の家へ助けられて以来、ふしぎな
業病
(
ごうびょう
)
をなやみ通しで今日に至ったまでのことを
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
業
常用漢字
小3
部首:⽊
13画
病
常用漢字
小3
部首:⽧
10画
“業病”で始まる語句
業病人