栄誉えいよ)” の例文
旧字:榮譽
町の中学では、たくさんの少年志願兵のなかに親に無断のひとり息子が三人も出て、それが学校の栄誉えいよとなり、親たちの心を寒がらせた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
むかし支那しなに、ある天子てんしさまがあって、すべてのくにをたいらげられて、りっぱな御殿ごてんてて、栄誉えいよ栄華えいがおくられました。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ればその栄誉えいよもっぱらにし敗すればその苦難くなんに当るとの主義をあきらかにするは、士流社会の風教上ふうきょうじょう大切たいせつなることなるべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ヴァードステーナ僧院の栄誉えいよがくずれないうちに、そのすぐそばに御殿ごてんが建てられて、それがその時代じだいでは、もっともすばらしいものとなるでしょう。
退学ということが両親兄弟を極端きょくたんに失望せしめ、一家将来の生活上に困難を来たし、一方には自分の栄誉えいよそれにともなう希望などが、根底より破壊はかいせらるるように考え来たり候えば
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
愛人「ええっ。それは何故です。婦人としてわが国ユー・エス・エー最高の栄誉えいよある地位を……」
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
な、俗物ぞくぶつ信心しん/″\文学者ぶんがくしや即ちおん作者さくしや様方さまがた生命せいめいなれば、な、俗物ぞくぶつ鑑賞かんしやうかたじけなふするはおん作者さくしや様方さまがた即ち文学者ぶんがくしや一期いちご栄誉えいよなれば、之を非難ひなんするは畢竟ひつきやう当世たうせい文学ぶんがくらざる者といふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
栄誉えいよ利害りがいを異にすれば、またしたがって同情相憐あいあわれむのねんたがい厚薄こうはくなきを得ず。たとえば、上等の士族が偶然会話の語次ごじにも、以下の者共には言われぬことなれどもこのこと云々しかじか、ということあり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
優秀な成績で師範しはんを出た早苗は、母校にのこる栄誉えいよを得てそのひとみはますますかがやき、大阪の産婆さんば学校を、これも優等で卒業した小ツルとは、大石先生をまん中にして仲よしになっていた。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
陰陽いんよう表裏ひょうり共に自家の利益りえき栄誉えいよを主張してほとんど至らざるところなく、そのこれを主張することいよいよ盛なる者に附するに忠君ちゅうくん愛国あいこく等の名を以てして、国民最上の美徳と称するこそ不思議なれ。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
我慢がまんく国の栄誉えいよを保つものというべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)