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架
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わた
ふりがな文庫
“
架
(
わた
)” の例文
溝に
架
(
わた
)
した
花崗岩
(
みかげいし
)
の橋の上に、髮ふり亂して垢光りする襤褸を著た女乞食が、二歳許りの
石塊
(
いしくれ
)
の樣な兒に乳房を
啣
(
ふく
)
ませて坐つて居た。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
岸より一丈あまり下に両岸よりさしむかひたる岩の
鼻
(
はな
)
あり、これをたよりとして
橋
(
はし
)
を
架
(
わた
)
したる也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
勿論
巖岨
(
いはそば
)
を
截
(
き
)
り削つて造つた道だから、歩を誤つては大變であるが、鐵の棒を巖へ立てたり、力になるやうに
鐵線
(
はりがね
)
を
架
(
わた
)
してあつたり、親切に出來てゐるから危いことも無い。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
この通り、琵琶の中は、
空虚
(
うつろ
)
も同じでございましょうが。では、あの
種々
(
さまざま
)
な
音
(
ね
)
の変化はどこから起るのかと思いますと、この胴の中に
架
(
わた
)
してある横木ひとつでございまする。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
猫貍橋は後掲氷川の杜の「西の方、小石川の流れに
架
(
わた
)
」したもので、「昔、大木の根木の
※
(
また
)
を以て、橋にかへ」たゆゑ、
根
(
ね
)
ツ
木
(
こ
)
※
(
また
)
橋なのであると本文にはかく説明されてゐる。
巣鴨菊
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
▼ もっと見る
巡査の案内に従って、
松明
(
たいまつ
)
を片手に奥深く進み入ると、
此
(
この
)
頃は昇降の便利を計る為に、
横木
(
よこぎ
)
を
架
(
わた
)
した
縄梯子
(
なわばしご
)
が
卸
(
おろ
)
してあるので、幾十尺の穴を
降
(
くだ
)
るに格別の困難を感じなかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
でも嬉やたった一ヵ所窓のように枝が
透
(
す
)
いて遠く
低地
(
ひくち
)
を見下される所がある。あの
低地
(
ひくち
)
には
慥
(
たし
)
か小川があって戦争
前
(
ぜん
)
に其水を飲だ筈。そう云えばソレ
彼処
(
あすこ
)
に
橋代
(
はしがわり
)
に
架
(
わた
)
した大きな
砂岩石
(
さがんせき
)
の
板石
(
ばんじゃく
)
も見える。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
溝に
架
(
わた
)
した
花崗石
(
みかげいし
)
の橋の上に、髪ふり乱して垢光りする
襤褸
(
ぼろ
)
を着た
女乞食
(
をなごこじき
)
が、二歳許りの
石塊
(
いしくれ
)
の様な児に乳房を
啣
(
ふく
)
ませて坐つて居た。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
橋は一旦巖上に中絶した如くなつて後に、また新に對岸に
架
(
わた
)
されてゐるのである。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
この家は小さい陣屋のような
構造
(
かまえ
)
で、
門
(
もん
)
の前には細い
流
(
ながれ
)
を引き
繞
(
めぐ
)
らし、一
間
(
けん
)
ばかりの細い板橋が
架
(
わた
)
してある。家の周囲は竹藪に包まれて、
其
(
そ
)
の
藪垣
(
やぶがき
)
の間から栗の大木が七八本
聳
(
そび
)
えていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
荒川橋とて荒川に
架
(
わた
)
せる鉄橋あり。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“架”の意味
《名詞》
(たるき)屋根を支えるために棟から軒先に掛け渡す長い木材。
(出典:Wiktionary)
架
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“架”を含む語句
十字架
稲架
書架
架空線
後架
画架
橋架
架上
一架
担架
刀架
架空
架台
廊架
総後架
筆架
薪架
黒十字架
架橋工事
畫架
...