ばやし)” の例文
茱萸ぐみばやしに、今井四郎兼平のひきいる六千余騎は、わしを渡って日宮ひのみや林に陣を構え、大将義仲は、一万余騎を引き連れ、埴生はにゅうに陣を敷いた。
ふゆはじきにれかかって、かなたのくろいすぎばやしあたまさむ西北にしきたかぜいて、うごいているのをていますと、またちらちらとゆきちてきました。
残された日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
少し行くとふるい寺のとなりの杉ばやしを切り倒して、奇麗に地平ぢならしをした上に、青ペンキ塗の西洋館を建てゝゐる。広田先生は寺とペンキ塗を等分に見てゐた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
こゝは、つまり、寒帶林かんたいりんで、いはゆる常緑針葉樹帶じようりよくしんようじゆたいです。それから海拔かいばつ八千尺はつせんじやく四合目しごうめまでのぼれば、はやし三度みたびその姿すがたへて、常緑針葉樹じようりよくしんようじゆはやし落葉針葉樹らくようしんようじゆのからまつばやしとなつてます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
どんぐりばやしの小道にはいった。右を見、左を見、呼んでみたり、やぶを叩いてゆく。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるとしちゃんは、学校がっこうからかえりに、このいぬが、やはりなにかくわえて、わきめもふらずにはらっぱをかけて、あちらのすぎばやしなかへゆくのをました。
母犬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうおだてられると、善吉ぜんきちは、つい、みんなとそこへいってみるになりました。なるほど、すぎばやしうちのいちばんたかうえほうに、からすは、をかけていた。
高い木と子供の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)