有仰おっしゃ)” の例文
わたしもこの郷の女香具師の一人、いいえ貴郎様は発足たせませぬ! 無理にお発足ちと有仰おっしゃるなら、竹法螺吹いて止めるでござんしょう
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あれ、そんなこと有仰おっしゃらないでさ。あのね、あのね、小親さんがお獅子を舞いますッて、ね、いでしょう、さあ、いらっしゃい。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あ、エウゲニイ、フェオドロイチの有仰おっしゃるには、本院ほんいん薬局やっきょく狭隘せまいので、これを別室べっしつの一つに移転うつしてはどうかとうのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「それじゃ堪忍してあげますから、今度はかくさないで有仰おっしゃいよ。あのね、坊ちゃんは毎晩いらっしゃいますが、何が第一いっちお気に入ったの。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
可能できるどころではございません。すぐにも運転させましょう……それが必要だと有仰おっしゃるなら」警視総監が斯う云った。
物凄き人喰い花の怪 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
成程なるほどときれば監獄かんごくや、瘋癲病院ふうてんびょういんはいされて、正義せいぎ貴方あなた有仰おっしゃとおかちめるでしょう、しかし生活せいかつ実際じっさいがそれでかわるものではありません。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「これはこれは何を有仰おっしゃるやら、聚楽第じゅらくだいのお侍でありながら、聚楽第の掟をご存知ないそうな。この密房は男禁制、開けることではござりませぬよ」
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
『ではわたくしなどはいたずらくるしみ、不満ふまんならし、人間にんげん卑劣ひれつおどろいたりばかりしていますから、白痴はくちだと有仰おっしゃるのでしょう。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「いえ、お召なんでございます。四十物町あえものちょうのお邸から、用があるッて、そう有仰おっしゃるのでございますから。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……勿論あなたの有仰おっしゃる通り学問の力は偉大です。世界の秘密を或る程度まで解剖することが出来ますからね。
「あれ、また、乱暴なことを有仰おっしゃいます。」と微笑ほほえみながら、道は馴々なれなれしくたしなめるがごとくに言った。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御前もあのように有仰おっしゃります。遠慮は禁物でござります。……鈴木様、小宮山様、さあさあお過しなさりませ。
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お嬢様が御褒美をお賭けなすったのを、旦那様がお聞遊ばすと、もっての外だ、間違いに怪我でもさせたらどうする、ほかの内の者とは違うぞ、早く留めろと有仰おっしゃるの。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何にも有仰おっしゃって下さいますな。……もう逢ったのでございます。……逢ったも同じなのでございます……」
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
... 苦痛であり損だという処から、障らぬ神に祟無し、このイキキで説を建てなかったんだと、屹度きっとこんなように有仰おっしゃいのでしょう」問「それに相違ありません」答
大衆文芸問答 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何んてまあ立派な探偵さんでしょう? 警察の方や他の刑事達が、これが犯人に相違無いと、決めて了ったあの方を、一人違うと首を振られて私にこのように有仰おっしゃられた。
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「それでたくさんのいろいろの人が、そのお方の所に伺って、お教えを乞うたと有仰おっしゃるのね?」
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
男の意志こころ、それが欲しゅうござりますと、有仰おっしゃることでござりましょうよ。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ああ解りました。では何んですね、食物がほしいって有仰おっしゃるのね?」
人間製造 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「私を待たれたと有仰おっしゃると、何か御用でもあるのでしょうか?」
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
総仕舞いにして、誰もあげるなと有仰おっしゃって……
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ハイカラに有仰おっしゃいよ、倶楽部かってね」
人を呪わば (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「お爺さんのお名前、何て有仰おっしゃるの?」
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「まアお殿様、何を有仰おっしゃります」
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「今更らしく何を有仰おっしゃる」
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)