日當ひあたり)” の例文
新字:日当
あるいてゐるうちにも、日當ひあたりわるい、まどとぼしい、おほきな部屋へや模樣もやうや、となりにすわつてゐる同僚どうれうかほや、野中のなかさん一寸ちよつと上官じやうくわん樣子やうすばかりがかんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一杯いつぱい日當ひあたりで、いきなりつちうへ白木しらき卓子テエブルを一きやくゑた、そのうへには大土瓶おほどびんが一茶呑茶碗ちやのみぢやわん七個なゝつ八個やつ
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
風の日には頭痛がし、雨の日にはおなかや腰が痛むと云つて、おときは客の居ない部屋の疊につつ伏して居る事が多かつた。早春らしい青空の日には、縁の日當ひあたりに長々と眠つてゐる事もあつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
丘外をかはずれなので、日當ひあたりい、からりとした玄關げんくわんさきひかえて、うしろやまふところあたゝまつてゐるやう位置ゐちふゆしの氣色けしきえた。宗助そうすけ玄關げんくわんとほして庫裡くりはうから土間どまあしれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)