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ひようとり
ふりがな文庫
“
日傭取
(
ひようとり
)” の例文
甲斐性がないばかりに
日傭取
(
ひようとり
)
にまで身を落し、好きな尺八一管を友に、溝口屋の裏に住んで見る影もなく生きている馬吉だったのです。
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
汝
(
てめえ
)
の方じゃ、面を踏まれた分にして、怒りやがるんだ、と
断念
(
あきら
)
めてよ。
難有
(
ありがた
)
く思え、
日傭取
(
ひようとり
)
のお職人様が月給取に
謝罪
(
あやま
)
ったんだ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そんな江戸の時世でいながら、
銅鑼亀
(
どらかめ
)
さんの部屋にいる
日傭取
(
ひようとり
)
などは、食う話ばかりしていて
箪食壺漿
(
たんしこしょう
)
にたんのうしたことなどは夢にもない。
醤油仏
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
無事に育って、
日傭取
(
ひようとり
)
かせぎでもいいから、こくめいに働いてさえくれればよい、間違っても、おれのように足が早く生れついてくれるなと心配しました。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これをしないのはわずか数人を出ない資産家か、反対に
日傭取
(
ひようとり
)
や馬車
挽
(
ひき
)
などに限られている。
和紙
(新字新仮名)
/
東野辺薫
(著)
▼ もっと見る
誠にはア
私
(
わし
)
が貧乏な
日傭取
(
ひようとり
)
で、育てる事も出来ませぬなれども、私の主人の娘で
何
(
ど
)
の
様
(
よう
)
にもとは思いましたが、ついはや
好
(
よ
)
い気になって和尚様へ
押付放
(
おしつけぱな
)
しにして
何
(
なに
)
ともお気の毒様
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
未荘の
土穀祠
(
おいなりさま
)
の中に住んでいて一定の職業もないが、人に頼まれると
日傭取
(
ひようとり
)
になって、麦をひけと言われれば麦をひき、米を
搗
(
つ
)
けと言われれば米を搗き、船を漕げと言われれば船を漕ぐ。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
日傭取
(
ひようとり
)
の与八は、急に立止まって、ヒョイとお辞儀をしました。喜三郎に声を掛けられなかったらそのまま知らん顔をして行く
心算
(
つもり
)
だったでしょう。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは、寺男の爺やまじりに、三人の
日傭取
(
ひようとり
)
が、ものに驚き、泡を食って、
遁出
(
にげだ
)
すのに、投出したものであった。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人入れ渡世の
銅鑼屋
(
どらや
)
の亀さんの部屋にいる、
日傭取
(
ひようとり
)
の人足達も、七人が七人とも雨で、十日も仕事にあぶれて、みんな
婆羅門
(
ばらもん
)
の行者みたいに目を
凹
(
へこ
)
ましていた。
醤油仏
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
現に自分が、今日までに盗んだ金額を、そっくり日割にしてみたところで、ちょっと気の
利
(
き
)
いた
日傭取
(
ひようとり
)
の分ぐらいにしか当るまい。それでいて、一歩あやまれば首が飛ぶのだ。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
馬吉のように
日傭取
(
ひようとり
)
になったのもあり、六助や勘次のように、巧みに溝口屋に取入って、三年経たないうちに良い顔になっているのもあったわけです。
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
罪滅
(
つみほろぼし
)
のためだと思って母親の持った亭主は——間黒源兵衛——
渾名
(
あだな
)
を
狂犬
(
やまいぬ
)
という、花川戸町の裏長屋に住む人入稼業、主に米屋の
日傭取
(
ひようとり
)
を世話する
親仁
(
おやじ
)
。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
良い
身上
(
しんしやう
)
を
潰
(
つぶ
)
した上、女には棄てられ、女房には死なれ、
日傭取
(
ひようとり
)
のやうなことをし乍らそれでも遠くへも行かず、賀奈女の阿魔が誰かに殺されるのが見たいと
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
疾
(
と
)
く既に式場に着し候ひけむ、
風聞
(
うわさ
)
によれば、市内各処における労働者、たとへばぼてふり、車夫、
日傭取
(
ひようとり
)
などいふものの総人数をあげたる、意匠の
俄
(
パフナリー
)
に候とよ。
凱旋祭
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
良い
身上
(
しんしょう
)
を
潰
(
つぶ
)
した上、女には捨てられ、女房には死なれ、
日傭取
(
ひようとり
)
のようなことをしながらそれでも遠くへも行かず、賀奈女の阿魔が誰かに殺されるのが見たいと
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ちやうど
市
(
まち
)
の
場末
(
ばすゑ
)
に
住
(
す
)
むでる
日傭取
(
ひようとり
)
、
土方
(
どかた
)
、
人足
(
にんそく
)
、それから、
三味線
(
さみせん
)
を
弾
(
ひ
)
いたり、
太鼓
(
たいこ
)
を
鳴
(
な
)
らして
飴
(
あめ
)
を
売
(
う
)
つたりする
者
(
もの
)
、
越後獅子
(
ゑちごじゝ
)
やら、
猿廻
(
さるまはし
)
やら、
附木
(
つけぎ
)
を
売
(
う
)
る
者
(
もの
)
だの、
唄
(
うた
)
を
謡
(
うた
)
ふものだの
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
石原町
(
いしはらちょう
)
の
日傭取
(
ひようとり
)
の娘お仙と駄菓子屋の女房のおまき、それから石原
新町
(
しんまち
)
の
鋳掛屋
(
いかけや
)
の娘おらく——」
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ちょうど
市
(
まち
)
の場末に住んでる
日傭取
(
ひようとり
)
、土方、人足、それから、
三味線
(
さみせん
)
を弾いたり、太鼓を
鳴
(
なら
)
して
飴
(
あめ
)
を売ったりする者、
越後獅子
(
えちごじし
)
やら、
猿廻
(
さるまわし
)
やら、
附木
(
つけぎ
)
を売る者だの、唄を謡うものだの、
元結
(
もっとい
)
よりだの
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「待て待て、浪人と遊び人はどうせ
日傭取
(
ひようとり
)
のようなものだ。その後ろで糸を引いてる奴の方が太い」
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
続いて
日傭取
(
ひようとり
)
が、おなじく木戸口へ、肩を組合って低く出た。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「待て/\、浪人と遊び人はどうせ
日傭取
(
ひようとり
)
のやうなものだ。その後ろで絲を引いてる奴の方が太い」
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
親仁
(
おやじ
)
は
日傭取
(
ひようとり
)
の、駄菓子屋ですもの。
錦染滝白糸:――其一幕――
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
日傭取
(
ひようとり
)
の子で金を目当てにさらわれるはずもなく、お新の母親のお豊は武家の
後家
(
ごけ
)
で、少しは
貯
(
たくわ
)
えもあるようですが、長いあいだ賃仕事をして、これも細々とした暮しです。
銭形平次捕物控:140 五つの命
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
金五郎は死骸を置いて表戸を開けると、そこには、岩吉の隣に住んでいる
日傭取
(
ひようとり
)
の与八と女房のお石が、叱られた駄々っ児のような、
脅
(
おび
)
えきった顔を並べて立っているのでした。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
万才
(
まんざい
)
ではない、
日傭取
(
ひようとり
)
だつたさうで、——文吉と一緒に江戸へ出て來て、昔は兄弟分だつたさうですが、何時の間にやら一方は出世して、長者番附にも載るやうになり、一方は落ぶれて
銭形平次捕物控:079 十七の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
万歳
(
まんざい
)
ではない、
日傭取
(
ひようとり
)
だったそうで、——文吉と一緒に江戸へ出て来て、昔は兄弟分だったそうですが、いつの間にやら一方は出世して、長者番付にも載るようになり、一方は落ちぶれて
銭形平次捕物控:079 十七の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
傭
漢検準1級
部首:⼈
13画
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
“日傭取”で始まる語句
日傭取稼