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拭掃除
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ふきそうじ
ふりがな文庫
“
拭掃除
(
ふきそうじ
)” の例文
こういう
癇癪
(
かんしゃく
)
の起きた時は、
平常
(
ふだん
)
より余計に立働くのがお雪の癖で、虫干した物を片付けるやら、黙って
拭掃除
(
ふきそうじ
)
をするやらした。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お島はその
夜
(
よ
)
一夜
(
ひとよ
)
は、むかし自分の
拭掃除
(
ふきそうじ
)
などをした浜屋の二階の一室に泊って、
翌
(
あく
)
る
日
(
ひ
)
は、町のはずれにある
菩提所
(
ぼだいしょ
)
へ墓まいりに行った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼女は女中も居ぬ家の不自由を知って居るので、来る時に何時も
襷
(
たすき
)
を
袂
(
たもと
)
に入れて来た。而して台所の事、
拭掃除
(
ふきそうじ
)
、何くれとなく妻を手伝うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
理
(
ゆえ
)
あるかな、今宵は
館
(
やかた
)
に来客ありとて、
饗応
(
もてなし
)
の支度、
拭掃除
(
ふきそうじ
)
、あるいは室の装飾に、いずれも忙殺されつつあり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
別荘には
留守番
(
るすばん
)
の
爺
(
じい
)
さんが一人いましたが、これは我々と
出違
(
でちがい
)
に自分の
宅
(
うち
)
へ帰りました。それでも
拭掃除
(
ふきそうじ
)
のためや水を汲むために
朝夕
(
あさゆう
)
一度ぐらいずつは必ず来てくれます。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
疾
(
と
)
くから、安土の園内の茶室に入って、ひとりの茶弟子を手伝いに、しきりと室内の
拭掃除
(
ふきそうじ
)
から露地の清掃まで自身の気のすむまで心を入れてしていたが、やがて
炉
(
ろ
)
の灰も見
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
拭掃除
(
ふきそうじ
)
を致しますから、手足は
皹
(
ひゞ
)
が絶えません、朝働いて仕まってからお座敷へ出るような事ですから、世間の評が高うございます、此の
母親
(
おふくろ
)
はお
崎
(
さき
)
婆
(
ばゞあ
)
と申しまして
慾張
(
よくばり
)
の骨頂でございます
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
台所といえば黒くくすぶりてむさ苦しきように聞ゆれどもこの家の台所は妻君が自慢顔に客を連れ込むほどありて
平生
(
へいぜい
)
の
綺麗好
(
きれいず
)
きさこそと思われ、
拭掃除
(
ふきそうじ
)
も行届き
竈
(
かまど
)
も板の間も光り輝くばかり。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
勿体なくも、朝暗いうちから廊下敷居を
俯向
(
うつむ
)
けに
這
(
は
)
わせて、
拭掃除
(
ふきそうじ
)
だ。
鍋釜
(
なべかま
)
の下を
焚
(
た
)
かせる、水をくませる、
味噌漉
(
みそこし
)
で豆府を買うのも、丼で
剥身
(
むきみ
)
を買うのも皆女房の役だ。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは板の上へ細い
桟
(
さん
)
を十文字に渡した
洒落
(
しゃれ
)
たもので、小使が毎朝
拭掃除
(
ふきそうじ
)
をするときには、下から
鍵
(
かぎ
)
を持って来て、一々この戸を開けて行くのが例になっていた。自分は立って敷居の上に立った。
変な音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると医者の
内弟子
(
うちでし
)
で薬局、
拭掃除
(
ふきそうじ
)
もすれば
総菜畠
(
そうざいばたけ
)
の
芋
(
いも
)
も
掘
(
ほ
)
る、近い所へは車夫も勤めた、
下男兼帯
(
げなんけんたい
)
の熊蔵という、その
頃
(
ころ
)
二十四五
歳
(
さい
)
、
稀塩散
(
きえんさん
)
に
単舎利別
(
たんしゃりべつ
)
を混ぜたのを
瓶
(
びん
)
に盗んで
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それもよ、行儀なら行儀をしつけようてえ真実からした事なら、どうせお
前達
(
めえたち
)
はお夏さんにゃあお師匠様だ、先生だ、
私
(
わっち
)
が紋床の
拭掃除
(
ふきそうじ
)
をするのと
異
(
かわ
)
りはねえ、体操でも何でもすら。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
拭
常用漢字
中学
部首:⼿
9画
掃
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
除
常用漢字
小6
部首:⾩
10画
“拭”で始まる語句
拭
拭込
拭布
拭巾
拭々
拭上
拭取
拭廻
拭役
拭止