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手尖
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てさき
ふりがな文庫
“
手尖
(
てさき
)” の例文
その言葉を聞いた柿丘は、頭がグラグラとするのを覚えて、思わず、
手尖
(
てさき
)
にあたった実験台の角をギュッと握りしめたのだった。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そうとは知らない爺いさんは、右の
手尖
(
てさき
)
だけを畳に
衝
(
つ
)
いて、腰を浮かせた。そして己の顔を見て云った。
蛇
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その
鯉口
(
こいぐち
)
の
両肱
(
りょうひじ
)
を
突張
(
つっぱ
)
り、
手尖
(
てさき
)
を八ツ口へ
突込
(
つっこ
)
んで、
頸
(
うなじ
)
を襟へ、もぞもぞと擦附けながら
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
我も
否
(
いな
)
とも
諾
(
う
)
とも云ふ暇なくして、接吻せられき。母上片手にて我頬を
撫
(
さす
)
り、片手にて我衣をなほし給ふ。
手尖
(
てさき
)
の隱るゝまで袖を引き、又頸を越すまで襟を揚げなどして、やう/\心を
安
(
やすん
)
じ給ひき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
膝と胸を立てた紫玉を、ちらりと御覧ずると、白やかなる
手尖
(
てさき
)
を軽く、彼が肩に置いて
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
膝
(
ひざ
)
と胸を立てた紫玉を、ちらりと御覧ずると、
白
(
しろ
)
やかなる
手尖
(
てさき
)
を軽く、彼が肩に置いて
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
口うらを聞けば
金子
(
かね
)
らしい、それならばと思う今も衣兜の中なる、
手尖
(
てさき
)
に触るるは
袂落
(
たもとおとし
)
。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
急心
(
せきごころ
)
に
赫
(
かっ
)
となって、
戦
(
おのの
)
く膝を
支
(
つ
)
いて、ぐい、と手を懸ける、とぐったりした
腕
(
かいな
)
が柔かに動いて、
脇明
(
わきあけ
)
を
辷
(
すべ
)
った
手尖
(
てさき
)
が胸へかかった処を、ずッと膝を入れて横抱きに
抱
(
いだ
)
き上げると
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
苦笑
(
にがわらひ
)
をして
又
(
また
)
俯向
(
うつむ
)
いた……フと
氣
(
き
)
が
付
(
つ
)
くと、
川風
(
かはかぜ
)
に
手尖
(
てさき
)
の
冷
(
つめた
)
いばかり、ぐつしより
濡
(
ぬ
)
らした
新
(
あたら
)
しい、
白
(
しろ
)
い
手巾
(
ハンケチ
)
に——
闇夜
(
やみ
)
だと
橋
(
はし
)
の
向
(
むか
)
うからは、
近頃
(
ちかごろ
)
聞
(
きこ
)
えた
寂
(
さび
)
しい
處
(
ところ
)
、
卯辰山
(
うたつやま
)
の
麓
(
ふもと
)
を
通
(
とほ
)
る、
陰火
(
おにび
)
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
尖
漢検準1級
部首:⼩
6画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭