所謂いはゆ)” の例文
そして二まい大畫たいぐわ今日けふ所謂いはゆ大作たいさく)がならべてかゝげてあるまへもつと見物人けんぶつにんたかつてる二まい大畫たいぐわはずとも志村しむらさく自分じぶんさく
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
律せんとするにあらず。されど所謂いはゆる当今の或る傾向に就いては、甚だ寒心に堪へざるものなからず。
文壇一夕話 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
おや兄弟きやうだいもないぼくには、こんなばんすこぶ感心かんしんしないので、おまけに下宿住げしゆくずまひ所謂いはゆる半夜燈前十年事、一時和雨到心頭といふ一けんだから堪忍たまつたものでない
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
雲飛は所謂いはゆ掌中しやうちゆうたまうばはれ殆どなうとまでした、諸所しよ/\に人をしてさがさしたが踪跡ゆきがたまるしれない、其中二三年ち或日途中とちゆうでふと盆石ぼんせきを賣て居る者に出遇であつた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それより一週間いつしうかんばかりつて、兒玉進五こだましんごたくかれ所謂いはゆ同窓會どうさうくわいひらかれた。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ごろりところげてだいなり、坐團布ざぶとん引寄ひきよせてふたつにをつまくらにしてまた手當次第てあたりしだいほんはじめる。陶淵明たうえんめい所謂いはゆる「不甚解くらゐいがときに一ページむに一時間じかんもかゝることがある。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)