慮外りよぐわい)” の例文
たゞす役目なり奉行ぶぎやうには依怙贔屓えこひいきありてそれがしばかり片落かたおとしに爲給したまふならんと言せもはて大岡殿おほをかどの發打はつた白眼にらま依怙贔屓えこひいきとは慮外りよぐわい千萬なり此梅を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「さて/\つよ御力おちからかな、そなたは聞及きゝおよびし諏訪越中すはゑつちうな。さらばそれがし慮外りよぐわいながらひとしつぺいつかまつらむ、うけて御覧候ごらんさふらへ。」
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
慮外りよぐわいながら此のわたりのいほりに、近き頃さまへて都より來られし、俗名ぞくみやう齋藤時頼と名告なの年壯としわかき武士のおさずや』。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
御内端おうちばすぎてのお物思ものおもひくよ/\ばかあそばせばこそ昨日今日きのふけふ御顏色おいろもわるし御病おわづらひでもあそばしたら御兩親をふたかたさまはさらなることなりまをすも慮外りよぐわいながらいもとおもふぞとての御慈愛じあい姉上あねうへ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
始め與力同心打驚うちおどろき是は慮外りよぐわいなり御出馬さき殊にくつわへ取り付とはそも氣違きちがひ亂心らんしんか女め其處そこはなしをれ不禮に及ばは切り捨るぞ大膽不敵も程こそあれ退しされ/\と大音にしかりながらにすがる手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
むすびし者なりなんぢ當所たうしよとまりしは運命うんめいつくる處なり先刻せんこく見置みおきし金子はや/\拙者どもへ差出せよと荒々あら/\しげに申ける吉兵衞は少しもわるびれたる氣色けしきもなく此方こなたに向ひ兩人ども必ず慮外りよぐわい振舞ふるまひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)