せく)” の例文
能考へ置と云ばお節は彌々いよ/\打喜びまことに何から何まで厚い御世話有難う御座りますと言けるが終夜よもすがらも遣らず心せくまゝ一番どりなくや否や起出つゝ支度調へ藤八諸共もろともあけ寅刻比なゝつごろより宿屋を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いとはず自身にゆふ申刻過なゝつすぎより右の寺へ參る其夜亥刻近よつどきちかき頃たくもどり來る途中しも伊呂村の河原にて死人につまづきたれども宵闇よひやみなれば物の文色いろわからず殊に夜陰やいんの事故氣のせくまゝ早々宿やどへ戻りて其夜は打臥うちふし翌朝かどの戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なしたる處へ養父やうふ與惣次いき繼敢つぎあへ馳來はせきたればお專は打悦うちよろこ挨拶あいさつの先にたつのは涙にて左右ことばいでざれば與惣次はお專に向ひ其なげきは道理もつともなり昨日聞きたる傳吉の災難さいなんすぐまゐらうと氣はせくといふとも何もる年に心の如く身はうごかず漸々やう/\かけ出し參りたり仔細しさいは何じやとたづぬるにおせんは涙のかほ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)