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やすこ
ふりがな文庫
“
廉子
(
やすこ
)” の例文
主上と准后の
廉子
(
やすこ
)
からは、祭祀の
供華
(
くげ
)
を賜わっていたので、そのおこたえに参内したものと、
衛府
(
えふ
)
や
伝奏
(
でんそう
)
には触れられているという。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
准后の
廉子
(
やすこ
)
にしろ、
賢
(
かしこ
)
すぎるくらいな女性だ。文観の
宗旨
(
しゅうし
)
がたんなる邪教や
愚昧
(
ぐまい
)
な説法にすぎぬなら、それにたばかられるはずはない。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
むずかしい武家側とのはなしあいもまずついた結果なので、
准后
(
じゅんごう
)
の
廉子
(
やすこ
)
から女院、女房たちも、すべて一しょに下山することとなった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
始終の様子を、その物音の遠くになる果てまでを、殿上の“
櫛形
(
くしがた
)
の窓”のあたりで聞きすましていた女性がある。准后の
廉子
(
やすこ
)
であった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
皇后の
侍
(
かしず
)
きに、
阿野
(
あの
)
中将の
女
(
むすめ
)
で
廉子
(
やすこ
)
とよばるる女性があった。廉子の美貌はいつか天皇のお眼にとまって、すぐ
御息所
(
みやすんどころ
)
の一と方となった。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
侍側の親房はこの日、おもなる公卿と共に別院にはいったきりで見えなかったが、
廉子
(
やすこ
)
にはその協議のなみならぬこともわかっていたので
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
妃の
廉子
(
やすこ
)
は配所仕えの童僕、金若という者へ、いちいち「これを喰べてごらん」と、
毒味
(
どくみ
)
をさせてからでないと、帝へお膳をすすめなかった。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて三位ノ
廉子
(
やすこ
)
がお冠をさし上げている庭前に人影がさした。今日を晴れと装った道中警衛の大将佐々木道誉であった。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三位
(
さんみ
)
の
廉子
(
やすこ
)
や
准后
(
じゅんごう
)
づきの女房らが、そのたび
御座
(
ぎょざ
)
ノ
間
(
ま
)
のおあかりに風ふせぎの工夫をしては、
灯
(
とも
)
し直すが、つけると、またすぐ消されてしまう。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こんな自嘲のお
戯
(
たわむ
)
れにも、三人の
御息所
(
みやすんどころ
)
——三位ノ内侍
廉子
(
やすこ
)
、権大納言ノ局、
小宰相
(
こさいしょう
)
——などはすぐ涙ぐむのであった。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
眼をふさぐと、帝の
寵妃
(
ちょうひ
)
廉子
(
やすこ
)
が浮かぶ。また、大酔した帝と佐々木道誉とのふしぎな
戯
(
ざ
)
れ
言
(
ごと
)
があたまの中を通って行く。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三位ノ局
廉子
(
やすこ
)
が見えた。しかし彼女がこれへ来るまでには、その
間
(
かん
)
、かなりな時間がたった。もしやと、ここの者どもが、案じていたほどである。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、やがて彼女は、みかどの寵幸が厚うなればなるほど、
准后
(
じゅんごう
)
の
廉子
(
やすこ
)
の監視がたえず身にそそがれているのに気づいた。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いやこの忠顕だけに来たわけではない。
准后
(
じゅんごう
)
(
廉子
(
やすこ
)
)のおん許へも懇願の使いを出して、るる、
恭順
(
きょうじゅん
)
のこころを
陳
(
の
)
べ、前非を悔いておる
態
(
てい
)
なのだ」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「みかどはおひとりでいらせられます。かしずく後宮の私たちは、
廉子
(
やすこ
)
さまはじめ二十人もの
妃嬪
(
ひひん
)
で
御寵
(
おんちょう
)
を
競
(
きそ
)
っていました。どうして真実が生れ出ましょう」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寵姫
(
ちょうき
)
の三位ノ局
廉子
(
やすこ
)
も、吉田定房の名を聞くのさえ、「裏切り者」への
蔑
(
さげす
)
みと「密告者」という憎しみに、身も
焦
(
や
)
くような
黛
(
まゆ
)
をちらと、みかどへ、して見せた。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三位
(
さんみ
)
ノ
局
(
つぼね
)
、阿野
廉子
(
やすこ
)
は、仰せと聞くと、いま夕化粧もすましたばかりなのに、もいちど
櫛笥
(
くしげ
)
ノ
間
(
ま
)
へ入って、鏡をとりあげ、入念に
黛
(
まゆずみ
)
や
臙脂
(
べに
)
をあらためてから立った。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帝の
寵妃
(
ちょうひ
)
、三位ノ
廉子
(
やすこ
)
なのである。すぐ内からは、
侍者
(
じしゃ
)
の千種
忠顕
(
ただあき
)
が、侍者ノ間から
答
(
いら
)
えて出て来た。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、まず
廉子
(
やすこ
)
をなぐさめられた。そして次に、側近たちの、
戦
(
そよ
)
ぐ
葦
(
あし
)
のような恐怖やら狼狽の影へ
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて、お湯殿の
上屋
(
うわや
)
のあたりで、みかどのお声がしていた。「……
廉子
(
やすこ
)
を呼べ」と、仰っしゃったようである。浴後の
御髪
(
みぐし
)
やおん
衣
(
ぞ
)
の奉仕に
侍
(
かしず
)
いていた女官のひとりが
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わけて、みかどをお送りして出た
准后
(
じゅんごう
)
の
廉子
(
やすこ
)
だの、親王方だの、あまたな女房たちは、中堂の
蔀
(
しとみ
)
のうしろで、みな、おもてを袖につつんで、われもなく泣き伏しているさまだった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひとり三位ノ局
廉子
(
やすこ
)
だけは泣きもしない。泣く以上なものをじいんと
黛
(
まゆ
)
に耐えている白い顔なのだ。きッと結んだままな
唇
(
くち
)
も風雪に抵抗する
冬牡丹
(
ふゆぼたん
)
のつぼみの
紅
(
べに
)
を置いたようである。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わけて、女性の
廉子
(
やすこ
)
は、声をすらシュクと洩らして、くやしげに
咽
(
むせ
)
び
哭
(
な
)
いた。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
清涼
(
せいりょう
)
、
紫宸
(
ししん
)
の皇居とちがって、ここは広いといっても、もと西園寺
実氏
(
さねうじ
)
の私邸であった町なかの館である。何につけお耳うるさい。いつもそれには気をつかっている三位ノ局
廉子
(
やすこ
)
がすぐ言った。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こういうなかに在って、たれよりも平静でいたのは
准后
(
じゅんごう
)
の
廉子
(
やすこ
)
であった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今を時めく寵妃とたれ知らぬはない阿野
廉子
(
やすこ
)
などの
艶姿
(
あですがた
)
であった。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、おそばにいた
寵姫
(
ちょうき
)
の
廉子
(
やすこ
)
が、そっと、みかどへ、ご注意した。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
廉
常用漢字
中学
部首:⼴
13画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“廉”で始まる語句
廉
廉恥
廉々
廉物
廉価
廉直
廉潔
廉立
廉耻
廉州