山國やまぐに)” の例文
新字:山国
とうさんの田舍ゐなか信濃しなの山國やまぐにからたひら野原のはらおほ美濃みのはうおりたうげの一ばんうへのところにあつたのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ふゆの、山國やまぐにの、にしおふ越路こしぢなり、其日そのひそらくもりたれば、やうやまちをはづれると、九頭龍川くづりうがは川面かはづらに、夕暮ゆふぐれいろめて、くらくなりゆく水蒼みづあをく、早瀬はやせみだれておと
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ヱネチアには我髮をる銚あるにあらねど、わがこれを憶ふ情は、恰も幻術の力の左右するところとなれるが如くなりき。われ若し山國やまぐにうまれならば、此情はやがて世に思郷病ノスタルジアなるべし。
山國やまぐにはチエスタ孃には珍しかつた。彼女は永年暑い平野の都會アトランタで暮して來たので、カンバランドの雄大で變化に富んだ風物を喜んだ。彼女は滯在中の一刻をも惜んで樂しみ度いと思つた。
水車のある教会 (旧字旧仮名) / オー・ヘンリー(著)
海のさとれて山國やまぐに
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
山國やまぐにやまを、まちけて、戸外おもてよるいろは、部室へやうちからよくれる。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)