居並ゐなら)” の例文
旧字:居竝
『えゝ只今たゞいま足下そくか御關係ごくわんけい事柄ことがらで、申上まをしあげたいとおもふのですが。』と、市役所員しやくしよゐん居並ゐなら人々ひと/″\挨拶あいさつむとした。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
御歸おかへし下さる樣偏へに御願ひ申ますと眞面目まじめで云ふゆゑ居並ゐならびし役人共一同笑ひに耐兼たへかね眞赤まつかに成て居るにぞ越前守殿もわらはれながら好々よし/\御威光ごゐくわう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しろちゝしてるのはむねところばかり、背向うしろむきのはおび結目許ゆひめばかり、たゝみをついてるのもあつたし、立膝たてひざをしてるのもあつたとおもふのとるのとまたゝくうち、ずらりと居並ゐならんだのが一齊いつせいわたし
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
始め與力同心列をたゞして嚴重に居並ゐならびければ吉五郎は彌々いよ/\いろ蒼然あをざめあはまでふるへながら家主のあと蹲踞ゐすくまるにぞ越前守殿是を見られ是へ/\と申さるゝに吉五郎は今にもくび
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ムヽ夫は實によい手都合てつがふソレ呼込よびこめの聲のした忽地たちまち和吉は呼び入れらるゝに巍々ぎゝ堂々だう/\たる政府の白洲しらす一同居並ゐなら吟味ぎんみていに和吉は見るより幼稚意こどもごころに大きに恐れハツと計りに平伏せしがかたへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)