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手都合
ムヽ夫は實によい
手都合ソレ
呼込の聲の
下忽地和吉は呼び入れらるゝに
巍々堂々たる政府の
白洲一同
居並び
吟味の
體に和吉は見るより
幼稚意に大きに恐れハツと計りに平伏せしが
側を
聞惣右衞門は
豫て
斯あらんと心得し事ならば少も動ぜず心の中に未だ
佐十郎郷右衞門より
訴へ出ざる中
公儀より尋ね出されし時は
渠等定めて
手都合惡かりなんと思ひ
何も
隱すべきにはあらね共先爰に知らざる
體に申方
宜しと
思案なし
御問尋には候へ共其の
儀決して覺え御座なく候尤も以前の好も候へば某しを