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小仏
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こぼとけ
ふりがな文庫
“
小仏
(
こぼとけ
)” の例文
旧字:
小佛
と、
小仏
(
こぼとけ
)
の上で休んでいた旅人たちは、今、自分たちの後ろから登って来る一団の旅の群れを、これは
観物
(
みもの
)
と、
道
(
みち
)
ばたで迎えていた。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
七円、十円と価格が分れているのを、十円のに決めて
日限
(
にちげん
)
を切って約束をする。そこで仏師屋では、
小仏
(
こぼとけ
)
を作る方の人が観音を作り始める。
幕末維新懐古談:08「木寄せ」その他のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
小仏
(
こぼとけ
)
、与瀬、猿橋、大月と、このあたりの紅葉はまだ少し早いが、いつもはつまらぬところでも捨てがたい趣きを見せていた。
白峰の麓
(新字新仮名)
/
大下藤次郎
(著)
お角が一人で
小仏
(
こぼとけ
)
の方へ行ってしまってから、駒井能登守の一行がこの関所を立って同じ方向に出かけました。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
酒折
(
さかをり
)
の宮、山梨の岡、
塩山
(
ゑんざん
)
、
裂石
(
さけいし
)
、さし
手
(
で
)
の名も
都人
(
ここびと
)
の耳に聞きなれぬは、
小仏
(
こぼとけ
)
ささ
子
(
ご
)
の
難処
(
なんじよ
)
を越して
猿橋
(
さるはし
)
のながれに
眩
(
めくる
)
めき、
鶴瀬
(
つるせ
)
、
駒飼
(
こまかひ
)
見るほどの里もなきに
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
しかし発車して一時間もすると、それはそれなりに、身辺が落ちつきなごんできて、
小仏
(
こぼとけ
)
のトンネルを越えたころからは窓の外を眺め入る余裕もできてきました。
歩くこと
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
小仏
(
こぼとけ
)
小平
(
こへい
)
がすんで、ようやく杉戸を下しましたが、それからが、息を次ぐ暇もないほどの早業なんです。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
小仏
(
こぼとけ
)
こえて、はや私たちは雪の国にはいっていた。闇にもしるき白雪の上に、光が時に投げられる。
雪の武石峠
(新字新仮名)
/
別所梅之助
(著)
「
中
(
なか
)
の
中
(
なか
)
の
小坊
(
こぼう
)
さん」は、私などは
弘法様
(
こうぼうさま
)
のことかと思っていた。これを
小仏
(
こぼとけ
)
と
唱
(
とな
)
えていた子どもの、近所にあることも知っていたのである。山梨県ではそれをまた
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
小仏
(
こぼとけ
)
峠、長尾峠、十国峠、三国峠、
徳本
(
とくごう
)
峠、針ノ木峠……即座に思い出す秋の峠のいくつかである。
可愛い山
(新字新仮名)
/
石川欣一
(著)
小仏
(
こぼとけ
)
の峠もほどなく越ゆれば、上野原、つる川、野田尻、犬目、鳥沢も過ぎて
猿
(
さる
)
はし近くにその夜は宿るべし、
巴峡
(
はきょう
)
のさけびは聞えぬまでも、笛吹川の響きに夢むすび
憂
(
う
)
く
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
蝮捕りの歌をうたいながら、
小仏
(
こぼとけ
)
も越し、甲府も過ぎ、諏訪から木曽谷へ入り込んだ。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
東は秩父及び
小仏
(
こぼとけ
)
古生層西は花崗岩の分界と見て差支ないようである。
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
小次郎は忘れていたが、そういわれて、
小仏
(
こぼとけ
)
の上で出会った
角屋
(
すみや
)
の一行を思い出し、その
庄司
(
しょうじ
)
甚内が、ここの
主
(
あるじ
)
ということも分って
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道よりもあれば
新宿
(
しんじゆく
)
までは
腕車
(
くるま
)
がよしといふ、八王子までは汽車の中、をりればやがて馬車にゆられて、
小仏
(
こぼとけ
)
の峠もほどなく越ゆれば、
上野原
(
うへのばら
)
、つる川、
野田尻
(
のだじり
)
、
犬目
(
いぬめ
)
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
小仏
(
こぼとけ
)
を昼間越えるのはこれが始めてだと言ったり、
馬入川
(
ばにゅうがわ
)
を見て何という川かなどと尋ねられる。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
と、戸板を蹴ると、今度は裏に返り、藻をばらりと被った
小仏
(
こぼとけ
)
小平
(
こへい
)
が、「お
主
(
しゅう
)
の難病、薬下され」と、片手を差し出すかと思いのほか、それも
背後
(
うしろ
)
を向いているのだった。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
小仏
(
こぼとけ
)
の
渓谷
(
けいこく
)
において、日本左衛門とああいう
訣別
(
けつべつ
)
をした金吾が、そのごの一念をお粂の行方に傾倒していたのは想像に難くないことです。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
子どもが手を
繋
(
つな
)
いで輪になって、ぐるぐる廻る遊び、全国どこにもある「
中
(
なか
)
の
中
(
なか
)
の
小仏
(
こぼとけ
)
」というものなどは、鹿の角を幾分か複雑にして、たくさんの
児
(
こ
)
がいっしょに楽しめるようにしただけで
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「そういえば、店を出る時、
小仏
(
こぼとけ
)
越えの
道程
(
みちのり
)
を聞いておりました。女の足では難儀でしょうか——などと申しまして」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中
(
なか
)
の
中
(
なか
)
の
小仏
(
こぼとけ
)
や
念打
(
ねんう
)
ちなどはよい例だと思うが、今一つだけもう少し手近いのを挙げると、
畠作
(
はたさく
)
に力を入れる東日本の農村などでは、もぐらもち(オゴロモチ)の害にはいつも弱りきっている。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
彼女の今夜の
敏捷
(
びんしょう
)
なことは、かつて、
小仏
(
こぼとけ
)
の甘酒茶屋から暗夜の険路を追って行ったその夜の迅さにも劣りません。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中央線でいうならば、山梨県は
小仏
(
こぼとけ
)
のトンネルからはじまり、向うは
日野春
(
ひのはる
)
と
富士見
(
ふじみ
)
の二つの
停車場
(
ていしゃじょう
)
のなかほどでおわるのだが、見て行くうちに屋根の形がいつの間にかまるでかわってしまう。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
これから武蔵へかかる
山境
(
やまざかい
)
は、
姥子
(
うばこ
)
、
鳴滝
(
なるたき
)
、
大菩薩
(
だいぼさつ
)
、
小仏
(
こぼとけ
)
、
御岳
(
みたけ
)
、四
顧
(
こ
)
、
山
(
やま
)
また山を見るばかりの道である。すきな子供のむれに取りまかれることがいたってまれだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小仏
(
こぼとけ
)
の上まで来ると、甚内は程よい所を見つけ
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
仏
常用漢字
小5
部首:⼈
4画
“小仏”で始まる語句
小仏峠
小仏小平
小仏颪