實否じつぴ)” の例文
新字:実否
それが即ち小幡の近所に住んでゐたKのをぢさんで、をぢさんは旗本の次男であつた。その噂を聽くと、すぐに小幡の屋敷に押掛けて行つて、事の實否じつぴを確めた。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
見られし所如何樣にも篤實とくじつおもてあらはれ勿々なか/\人を殺し盜賊たうぞくをする者にあらずしかいましひて吟味する時は裁許さいきよを破り殊に郡代の不詮議ふせんぎと相成事なりさりとて人一人たり共無實むじつそこなふは大事なれば先々まづ/\よく實否じつぴ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
よもやとおもへどまさしくならばなんとせん實否じつぴくはしくきたしとおもへどとがむるこゝろことばつまりて應答こたへなにやらうろうろになりぬおたかさまゆるりなされいまあにもどりまするまづそれよりはおけたきもの往日いつぞやはなまをせしあに祕藏ひざう畫帖ぐわでうイエおまへさまに御覽ごらんるゝにめられこそすれなにとして小言こごとくことでは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
引寄て三行半をかきて之は女房梅が離縁状りえんじやうなり姦夫の實否じつぴ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たう奉行支配の地なれば捨置難すておきがたしと密々みつ/\調しらべられしうへこの段御老中筆頭ごらうぢうひつとう松平伊豆守殿いづのかみどのへ御屆に及ばるれば早速さつそく御老中若年寄わかどしより御相談ごさうだんうへまづ伊豆守殿御役宅おんやくたく相招あひまね實否じつぴ取糺とりたゞしの上にて御落胤に相違なきに於てはすみやかに上聞じやうぶんたつ取計とりはからひ方も有べしと評議ひやうぎ一決し則ち松平伊豆守殿より公用人こうようにん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)