寄合よりあ)” の例文
二葉亭が存命だったら今頃ドウしているだろう? という問題が或る時二葉亭を知る同士が寄合よりあった席上の話題となった。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
うちも向ひ合せのことなり、鬼ごツこにも、きしゃごはじきにも、其家そこ門口かどぐち、出窓の前は、何時いつでも小児こども寄合よりあところ
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
みんな、その、貴殿に感謝しておる訳さ。で、今日も番士一統寄合よりあいを開いてナ、連名の上、貴殿のお許しを脇坂わきざか様まで願い出ようということになったのじゃ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その日の午後、女どもが肉を運んで来る間に、男たちは寄合よりあって相談していました。キーシュが家へ帰るとすぐ使つかいが来て、寄合の席へ出て来いといういいつけでした。
負けない少年 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
まるで泥棒ときちがいの寄合よりあいだ。自制なんかということは薬にしたくてもない。
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
其都度そのつど紛失物ふんしつもの出來できますやら品物しなもの破損はそんなどはおびたゞしいことで、うすれば此樣こんなに不人情ふにんじやうものばかり寄合よりあふのか、世間一體せけんいつたい此樣このやう不人情ふにんじやうなものか、それともわたし一人ひとりなげかせやうといふので
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
市民の寄合よりあいより、冠婚葬祭、開業・開店等の細事に至るまでも、わずかに十数名の人を会することあれば、必ずその会につき、あるいは会したる趣意を述べ、あるいは人々平生へいぜいの持論を吐き
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
と云ったものの、両方で、机をずって、ごそごそと火鉢に噛着かじりついて、ひったりと寄合よりあわす。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つたものの、兩方りやうはうで、つくゑをずつて、ごそ/\と火鉢ひばち噛着かじりついて、ひつたりと寄合よりあはす。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おれ見着みつけてつてかへる、死骸しがいるのをつてれ。』とにらみつけて廊下らうか蹴立けたてゝた——帳場ちやうば多人数たにんず寄合よりあつて、草鞋穿わらぢばき巡査じゆんさ一人ひとりかまちこしけてたが、矢張やつぱりこといてらしい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)