“実体:じってい” の例文
“実体:じってい”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花4
三遊亭円朝4
岡本綺堂4
野村胡堂3
久生十蘭2
“実体:じってい”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸8.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.5%
文学 > 日本文学 > 戯曲0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
中は大体八五郎が説明してくれた通り、この辺は湯女ゆななども置かず、本当の銭湯一式で、実体じっていに商売をしております。
小ぶとりに肥った実体じっていそうな男で、お留やほかの人達の挨拶ぶりを見ても、それが徳蔵であることはすぐに判った。
半七捕物帳:13 弁天娘 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
……といっても、かれにくらべれば芸の幅がやゝ広く、ときには実体じっていな爺さん役なんぞも器用にこなす鷲尾だった。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
実体じっていそうなその爺さんは、あがかまちのところに腰をかけ込んで、のない目で奥口をのぞき込んだ。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
というので恭太郎が土間へ下りてガラリと戸を明けると、丈助は一本差し、羽織を着て実体じっていらしく、
心懸けのい、実体じっていもので、身が定まってからも、こうした御機嫌うかがいに出る志。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お蔦 私より貴方は……そうね、お源坊が実体じっていに働きますから、当分我慢が出来ましょう。
湯島の境内 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
奉「して見ると其の方共実体じっていに勤めて、主人の気に入って居ったものと見えるな」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ずっと京橋の金助町きんすけちょうにおりまして、麹町にまいりましたのはついこの春。酒も飲まず、実体じっていな男というきり、くわしいことは存じませんです」
兄は先年死んだので、自分が下谷の隠居の世話になって老婆を養っているが、こんな身分の若い女には似合わない、至極実体じっていなおとなしい女であるという噂であった。
半七捕物帳:10 広重と河獺 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
今にもう一人ここへ来て寝るそうじゃが、お前様と同国じゃの、若狭の者で塗物ぬりもの旅商人たびあきんど。いやこの男なぞは若いが感心に実体じっていい男。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
野田の祗園祭でございまして、亀甲万のうちへ奉公を致して居りまする布卷吉と云うは、今年十二歳ではありますが、至って温和おとなしい実体じっていものでございます。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「はい、今日は」といいながら寄って来たのは、鉄縁てつぶち眼鏡をかけた半白の老人。村役場の傭書記やといしょき、小学校の理科の先生、——そういった実体じっていな人物。
そう言いながら、冗談らしく相手の袖を押えた平次、咄嗟とっさの間に見極めると、年の頃五十六七、実体じっていらしい老爺おやじさんで、どう間違っても身投げなどをする柄とは見られません。
番頭らしい実体じっていな四十男が顔を出しました。
彼は見るからに実体じっていな男であった。
西瓜 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
妻君も共に笑い「あの人の大食は名代なだいです。しかしあの人は大食の外に悪い所が少しもありません。正直でおとなしくってそうして心が実体じっていですよ」とためにする所ありてか良き点のみを挙げぬ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
小作りの実体じっていそうな男です。
此のほうおいても実に悦ばしい、段々様子を聞けば、山口屋善右衞門かたへ忠義を尽し、実体じっていにしてる由、誠に感服なるぞ、屋敷うちでも其方そちの評判が宜しいから蔭ながら悦んでいた
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と早口で車夫は実体じってい
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
申上げます、只今恒太郎から申上げました通り、長二郎は六年ほどわたくし店内たなうちに住居いたしましたが只の一度夜うちを明けたことの無い、実体じっていな辛抱人で、店賃は毎月十日前に納めて、時々釣はいから一杯飲めなぞと申しまして
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
宿は本所相生町あいおいちょうの徳蔵という魚屋さかなやで、ふだんから至極実体じっていな人間でございます。ところが、宿へ帰りましてから徳次郎の模様がいよいよ悪くなりまして、とうとうきのうの八ツ頃(午後二時)に息を引き取ったそうで、まことに可哀そうなことを致しました。
半七捕物帳:13 弁天娘 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「なんでも浅草の方へ縁付きましたのですが、その亭主が道楽者で……。生まれた子が死んだのを幸いに、縁切りということに致しまして、乳母奉公に出たのだそうでございますが、まことに実体じっていな忠義者で、主人の子どもを大切に致してくれますので、内外うちとの評判も宜しゅうございます」
半七捕物帳:56 河豚太鼓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
てる女は佐助に糸竹の道を習うかたわら二人の盲人の間を斡旋あっせんして手曳きとも付かぬ一種の連絡係りを勤めたけだし一人はにわか盲目一人は幼少からの盲目とは云えはしの上げおろしにも自分の手を使わず贅沢にれて来た婦人の事ゆえ是非ぜひともそう云う役目を勤める第三者の介在が必要でありなるべく気の置けない少女をやとうことにしていたがてる女が採用されてからは実体じっていなところが気に入られ大いに二人の信任を得てそのまま長く奉公をし
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)