孫一まごいち)” の例文
それをニヤニヤ笑ってながめながら、秀吉、足をいてたての上にあがった。加藤孫一まごいち、すがたは見せないが、向こうの楯のかげで
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふにもおよばないこと奴隷どれいはぢも、くるしみも、孫一まごいちは、けて、むすめ哥鬱賢こうつけんはなむけした鸚鵡あうむかたゑて。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かげに、端麗あでやかさも端麗あでやかに、神々かう/″\しさも神々かう/″\しい、はかまひめが、お一方ひとかた孫一まごいち一目ひとめなすつて
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
孫一まごいち、やりおったの」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若い人は筑前ちくぜん出生うまれ、博多の孫一まごいちと云ふ水主かこでね、十九の年、……七年前、福岡藩の米を積んだ、千六百こく大船たいせんに、乗組のりくみ人数にんず、船頭とも二十人、宝暦ほうれきうまとし十月六日に
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
孫一まごいち
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫一まごいちも其の一人だつたの……此の人はね、乳も涙もみなぎり落ちる黒女くろめ俘囚とりこ一所いっしょに、島々を目見得めみえに廻つて、其のあいだには、日本、日本で、見世ものの小屋に置かれた事もあつた。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
孫一まごいちは、てんたすけか、土地とちではれなくつて——とう/\蕃蛇剌馬ばんじやらあまんかたいた——
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
渇くのはつらくつて、雨のない日の続く時は帆布ほぬのを拡げて、夜露よつゆを受けて、みんなが口をつけて吸つたんだつて——大概唇は破れて血が出て、——助かつた此の話の孫一まごいちは、あんまり激しく吸つたため
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)