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しょっちゅう
ふりがな文庫
“
始終
(
しょっちゅう
)” の例文
「道庵さんは
始終
(
しょっちゅう
)
懇意
(
こんい
)
に致しておりますけれど、あの娘さんがどうしたことやら、文面が何のことやら、のみこめませんものですから」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
本当
(
ほんと
)
にお客様が
皆
(
みんな
)
一番さんのようだと、下宿屋も
如何様
(
どんな
)
に助かるか知れないッてね、
始終
(
しょっちゅう
)
下でもお噂を申して
居
(
お
)
るンでございますよ……
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
肌理
(
きめ
)
の細かい、それでいて
血気
(
ちのけ
)
のある女で、——これは段々
後
(
あと
)
になって分ったことだが、——気分もよく変ったが、顔が
始終
(
しょっちゅう
)
変る女だった。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「ますます弁解が苦しいが、
朋友
(
ともだち
)
の
交誼
(
よしみ
)
に、店がいそがしかったと云うことにしておいてやろう」と、岩本は
始終
(
しょっちゅう
)
笑っていた。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
物は
最初
(
はじめ
)
が大切だそうだ。初めて逢った時
可厭
(
いや
)
だと思った人は何時までも可厭だとは、お花姉さんの
始終
(
しょっちゅう
)
言う事だ。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
始終
(
しょっちゅう
)
人の
隙
(
すき
)
を狙ってるような眼附をしてるじゃないか。私もうあれを見ると身震いがするようだ。今のうちにどうにかしないと、私達の方が負かされっちまうよ。
少年の死
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「
私
(
わたし
)
も無いつもりだ。御前がそう云ってくれるたんびに、御礼は
始終
(
しょっちゅう
)
云ってるじゃないか」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だんだん
鬼
(
おに
)
のような
心
(
こころ
)
になって、いつもこの
子
(
こ
)
を
目
(
め
)
の
敵
(
かたき
)
にして、
打
(
ぶ
)
ったり、
敲
(
たた
)
いたり、
家中
(
うちじゅう
)
を
追廻
(
おいまわ
)
したりするので、かわいそうな
小児
(
こども
)
は、
始終
(
しょっちゅう
)
びくびくして、
学校
(
がっこう
)
から
帰
(
かえ
)
っても
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
品川では
軍艦
(
ふね
)
の方が大のお
花客
(
とくい
)
でげすから、花里もその頃はまだ出たてゞはございますし、人々から注意をうけて
疎
(
おろそ
)
かならぬ
※待
(
もてなし
)
をいたしたので、海上も
始終
(
しょっちゅう
)
通って
居
(
お
)
られましたが
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……随分、ふてえ、小癪に障る、それこそ人の小股をすくうようなことばかり
始終
(
しょっちゅう
)
しちゃァいるが、もと/\そんな悪党じゃァない。——そんな大それた真似の出来る
大百
(
だいびゃく
)
じゃァない。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「いいえ、ほんとうです。これじゃ、あたし凍っちまいますわ。あなたは
始終
(
しょっちゅう
)
出あるいてらっしゃるから、お解りにならないでしょうけど、このままじゃ、あたしの体は凍っちまいますわ」
初雪
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
こう駕籠の中で呟いていることが
始終
(
しょっちゅう
)
ではないか。これを要するに、かくまで、かくのごとくにまで、一から十まで百まで千まで師匠おもって、おもい抜いて止まらざるこの私ではないか。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
真紀 それで、あなたにも
始終
(
しょっちゅう
)
そんな話をするの文学とか、芝居とか。
みごとな女
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
「つゆ子さんとは
始終
(
しょっちゅう
)
一緒でしたか。」と彼氏がききます。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それではどうもお位牌に対しても済まぬから、
己
(
おれ
)
は
始終
(
しょっちゅう
)
其が苦になっての……と眼を
瞬
(
しばだた
)
かれた時には、私も妙な心持がした。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
秋になってから
始終
(
しょっちゅう
)
雨が降り続いた。あの古い家のことだから
二所
(
ふたところ
)
も三所も雨が漏って、其処ら中にバケツや
盥
(
たらい
)
を並べる。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「新井君なんか
始終
(
しょっちゅう
)
青い顔をしているんだから、海岸へ行って色揚げをして来る必要がある。逗子へ遣ろうよ、何うせ今月一杯宿が明いているんだから」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
神尾主膳はその後しばらく、病気と称して
引籠
(
ひきこも
)
っておりました。引籠っている間も、分部とか山口とかいうその同意の組頭や勤番が
始終
(
しょっちゅう
)
出入りしていました。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
昨年の暮
比
(
ごろ
)
からでございますよ、元は無邪気で、きびきびして、
始終
(
しょっちゅう
)
旦那に小遣をねだって、旦那が
煩
(
うるさ
)
がると、
私
(
わっし
)
が仲へたってもらってあげるものだから、戦争から帰ってらしても、
私
(
わっし
)
に
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
あんな
太
(
ふて
)
え罰あたりはねえ。——
始終
(
しょっちゅう
)
金平さんはそういっているんだ。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
暇さえあると他の噺を、講釈を、猿若町の芝居へさえ、
始終
(
しょっちゅう
)
でかけてゆくようになった。そうしては自分の芸の明るく色好く「紫」たることをいやが上にも苦労し、工夫し、砕心してやまなかった。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
八「オイ熊ア、
手前
(
てめえ
)
大層景気がいゝな、
始終
(
しょっちゅう
)
出かけるじゃアねえか」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
真紀 あさ子なんか、
始終
(
しょっちゅう
)
讃
(
ほ
)
めてますよ。
みごとな女
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
先達て中
始終
(
しょっちゅう
)
秋雨
(
あめ
)
の降り朽ちているのに、後から後からと蕾を付けて、
根
(
こん
)
好く咲いているな、と思って、折々眼に付く度に、そう思っていたが、其れは既う咲き止んだ。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「あすこはこのごろ、役人が出入りをしている、滝の川の方に
普請事
(
ふしんごと
)
があって、それであの家が会所のようなことになっているから、上役人が
始終
(
しょっちゅう
)
出入りをしているんだ」
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「それじゃお貰いになった後が大変ですわね。
始終
(
しょっちゅう
)
なら心臓が弱ってしまいましょう」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
始終
(
しょっちゅう
)
板にへばりついていることです」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“始終”の意味
《形容動詞》
始終(しじゅう)
始めからから終わりまで、ずっと。
いつも。
(出典:Wiktionary)
始
常用漢字
小3
部首:⼥
8画
終
常用漢字
小3
部首:⽷
11画
“始終”で始まる語句
始終中
始終々々