)” の例文
ここは佃町よ、八幡様の前を素直まっすぐに蓬莱橋を渡って、広ッを越した処だ、いか、わしは早船の船頭で七兵衛とうのだ。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ただ青い空と、それから駅の前の広ッの真中にたった一本突立っている高い高い木の梢がほんのちょっぴり見えるだけなんです。何の樹かわかりませんけども……
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
外套の隠しに両手を突込むで、停車場前のひろを歩きながら、大きな靴のかゞとやけ地面ぢべたを蹴散らしてみたが、地面ぢべたを蹴つたところで、急行列車がとまる訳でもなかつた。
右の方はいくつかの広っを包んだ林、左側は小さな池に沿っていた。池では時々ボチャンボチャンとこいの跳ねる音がした。藤棚を天井にしたコンクリートの小橋が薄白く見えていた。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
うちのすぐ近くに宿屋が一軒と人家じんかが二軒と、それから広っの向う側に小屋が一つあるきりで、あとは停車場ていしゃばへ行くまで半道はんみちもの間うち一軒ありません。——私は商売できまった期間だけ町に行きます。
黄色な顔 (新字新仮名) / アーサー・コナン・ドイル(著)
間もなくそこに展けたひろの光景がありました。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
このひろでも目の及ぶ限り芥子粒けしつぶほどのおおきさの売薬の姿も見ないで、時々焼けるような空を小さな虫が飛び歩行あるいた。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
眼もはるかなひろに、何百か何千かわからぬ狂人の群れが、ウジャウジャして、あらん限りの狂態を演じている光景が見られるのかと思っていたが、これじゃあチットモ張合がない。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ひろでもおよかぎり芥子粒けしつぶほどのおほきさの売薬ばいやく姿すがたないで、時々とき/″\けるやうなそらちひさなむし飛歩行とびあるいた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(べらぼうめ、いくら山手やまのてだってこう、赤城に芝居小屋のあった時分じゃねえ、見物の居るめえ生命いのちの取遣りが出来るかい、向うがけの原ッまでついて来い、殺してやる、来い!)
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
水ッてのは何、深川名物の溜池ためいけで、片一方は海軍省の材木の置場なんで、広ッ
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)