“四面(しめん)” の例文
このリンクスの美くしさは、畢竟(ひっきょう)スロープの見事な裾野の美くしさであり、四面(しめん)山に囲まれた盆地の美くしさである。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
それは四面(しめん)の鐵檻(てつおり)の堅牢(けんらう)なる上(うへ)にも堅牢(けんらう)ならん事(こと)を望(のぞ)んで、如何(いか)に力強(ちからつよ)き敵(てき)が襲(おそひ)來(きたつ)ても、决(けつ)して車中(しやちう)の安全(あんぜん)を害(がい)せられぬ爲(ため)の特別(とくべつ)の注意(ちうゐ)である相(さう)な。
四面(しめん)皆(みな)山にて老樹(らうじゆ)欝然(うつぜん)として翳塞(おほひふさぐ)の中(なか)に個(この)美人(びじん)を見ること愕然(びつくり)し、是狸(たぬき)にあらずんばかならず狐ならんといひければ、岩居(がんきよ)友(とも)だちと相顧(あひかへりみ)、手(て)を拍(うつ)て笑(わら)ふ。
元来伏木(ふしき)直江津間の航路の三分の一は、遙(はるか)に能登半島の庇護(ひご)によりて、辛(から)くも内海(うちうみ)を形成(かたちつく)れども、泊(とまり)以東は全く洋々たる外海(そとうみ)にて、快晴の日は、佐渡島の糢糊(もこ)たるを見るのみなれば、四面(しめん)淼茫(びょうぼう)として
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四面(しめん)皆(みな)山にて老樹(らうじゆ)欝然(うつぜん)として翳塞(おほひふさぐ)の中(なか)に個(この)美人(びじん)を見ること愕然(びつくり)し、是狸(たぬき)にあらずんばかならず狐ならんといひければ、岩居(がんきよ)友(とも)だちと相顧(あひかへりみ)、手(て)を拍(うつ)て笑(わら)ふ。
四面(しめん)山に囲まれて、全く塵境(じんきょう)を離れた、処女の肌のように滑らかなこのリンクスの美くしさは、夕暮が近づいて、静けさが加わるほどますます発揮される。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
自動冐險鐵車(じどうぼうけんてつしや)の設計(せつけい)といふのは——先(ま)づ此(この)鐵檻(てつおり)の車(くるま)の恰形(かくこう)は木牛(もくぎう)に似(に)て、長(なが)さ二十二尺(しやく)、幅員(はゞ)十三尺(じやく)、高(たか)さは木牛形(もくぎうけい)の頭部(とうぶ)に於(おい)て十二尺(しやく)、後端(こうたん)に於(おい)て十尺(しやく)半(はん)、四面(しめん)は其(その)名(な)の如(ごと)く
三個の連環湖であることが趣(おもむき)を添え、四面(しめん)蒼翠(そうすい)に囲まれ、諏訪神社の古びた祠(ほこら)が松林(しょうりん)中にあり、池には貸ボートや釣魚(ちょうぎょ)の設備があって、更に一段と手を加えれば
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)