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四斗樽
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しとだる
ふりがな文庫
“
四斗樽
(
しとだる
)” の例文
稍
(
やや
)
淡
(
あわ
)
い影ではありましたが、モーニングの上に、確かに首らしいものが出ています。その頭がまた
四斗樽
(
しとだる
)
のように大きいのです。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
四斗樽
(
しとだる
)
を両手に提げながら、
足駄
(
あしだ
)
を
穿
(
は
)
いて歩くと云う嘉助は一行中で第一の大力だった。忠次が心の裡で選んでいる三人の中の一人だった。
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
お札の降った家では幸福があるとして、
餅
(
もち
)
をつくやら、
四斗樽
(
しとだる
)
をあけるやら、それを一同に振る舞って非常な
縁起
(
えんぎ
)
を祝った。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
また
四斗樽
(
しとだる
)
三箇を備えて、血と臓物を貯えしが、皆ことごとく腐敗して悪臭
生温
(
なまぬる
)
く呼吸を圧し、敷きたる筵は湿気に濡れ、じとじとと
濡
(
うるお
)
いたり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そうかと思うと
四斗樽
(
しとだる
)
ほどの、髪を乱した女の顔が、
天井
(
てんじょう
)
からダラリと垂れ下がる……ほんとに本当に恐ろしい事じゃ
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
四斗樽
(
しとだる
)
ようの物を伏せた上に筆を耳に挟んだ人が乗って、何か高声に叫びますと、皆そこへ集まって来ます。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
四斗樽
(
しとだる
)
ほどもある心臓模型、太い血管で血走ったフットボールほどの眼球模型、無数の
蚕
(
かいこ
)
が這い廻っているような脳髄模型、等身大の蝋人形を
韓竹割
(
からたけわり
)
にした内臓模型
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
酒の普及がこの
四斗樽
(
しとだる
)
というものの発明によって、たちまち容易になったことは争われない。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
しかも大きさは
四斗樽
(
しとだる
)
ほどあって、棒を通して二人でかついでも、なかなか重い。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
のみならずそれと同時に、頭の上の松の枝が、
烈
(
はげ
)
しくざわざわ揺れたと思うと、
後
(
うしろ
)
の絶壁の頂からは、
四斗樽
(
しとだる
)
程の
白蛇
(
はくだ
)
が一匹、炎のような舌を吐いて、見る見る近くへ下りて来るのです。
杜子春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
縄
(
なは
)
のかかつた
四斗樽
(
しとだる
)
を、買つて帰ることになつて、松さんは担ぐために縄を
掴
(
つか
)
んだが、芝居をするときのやうに、少しも力を入れないで、力む
真似
(
まね
)
ばかりしてゐて、担がうとしなかつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
坂の下には、大きな
石刻
(
いしぼり
)
の
獅子
(
しし
)
がある。全身灰色をしておった。尾の細い割に、
鬣
(
たてがみ
)
に
渦
(
うず
)
を
捲
(
ま
)
いた深い頭は
四斗樽
(
しとだる
)
ほどもあった。前足を
揃
(
そろ
)
えて、波を打つ群集の中に眠っていた。獅子は二ついた。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
梅酢
(
うめず
)
と
唐辛子
(
とうがらし
)
とを入れて漬ける
四斗樽
(
しとだる
)
もそこへ持ち運ばれた。色も
紅
(
あか
)
く新鮮な芋殻を樽のなかに並べて塩を振る手つきなぞは、お民も慣れたものだ。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
大蛇
(
うわばみ
)
でも居て
狙
(
ねら
)
うか、と若い者ちと
恐気
(
おじけ
)
がついたげな、
四辺
(
あたり
)
に
紛
(
まが
)
いそうな松の樹もなし、
天窓
(
あたま
)
の上から、
四斗樽
(
しとだる
)
ほどな
大蛇
(
だいじゃ
)
の頭が
覗
(
のぞ
)
くというでもござるまい。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分にはあっちの
見当
(
けんとう
)
がわからなかったが、とにかく婆さんの出て来た方角だろうと思って、奥の方へ歩いて行ったら、大きな台所へ出た。真中に
四斗樽
(
しとだる
)
を輪切にしたようなお
櫃
(
はち
)
が
据
(
す
)
えてある。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ね、
四斗樽
(
しとだる
)
の中へ入れて、冷していたのですよ。これがね、みなさん
白昼夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
四斗樽
(
しとだる
)
のように膨れ上がっていた。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
と肩を一層、男に落して、
四斗樽
(
しとだる
)
ほどの大首を斜めに仰ぐ。……俗に四斗樽というのは
蟒
(
うわばみ
)
の頭の形容である。
濫
(
みだり
)
に他の物象に向って、特に銅像に対して使用すべきではない。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
四
常用漢字
小1
部首:⼞
5画
斗
常用漢字
中学
部首:⽃
4画
樽
漢検準1級
部首:⽊
16画
“四斗”で始まる語句
四斗俵