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嚊
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かか
ふりがな文庫
“
嚊
(
かか
)” の例文
「親分、身柄調べたあひどうがしょう。あっしもそこを言ってやりやした。瘠せても枯れても
他人
(
ひと
)
の
嚊
(
かか
)
あへよくも——。」
早耳三次捕物聞書:02 うし紅珊瑚
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
日常身辺の事一として話の種ならざるはなし。然れども長屋の
嚊
(
かか
)
が
金棒
(
かなぼう
)
引くは聞くに
堪
(
た
)
へず識者が
茶話
(
さわ
)
にはおのづと聞いて身の
戒
(
いましめ
)
となるもの多し。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
参詣人
(
さんけいにん
)
へも愛想よく門前の花屋が口悪る
嚊
(
かか
)
もとかくの
蔭口
(
かげぐち
)
を言はぬを見れば、着ふるしの
裕衣
(
ゆかた
)
、
総菜
(
そうざい
)
のお残りなどおのづからの御恩も
蒙
(
かうむ
)
るなるべし
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「出て行くとも!
嚊
(
かか
)
アも氣違ひなら、おやぢも氣違ひぢや。そんな氣違ひぢぢイは御兔ぢや」と、立ちあがる。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
旅ほど
嚊
(
かか
)
が
可愛
(
かわゆ
)
うておもしろい事はないぞ、いまだに
其頃
(
そのころ
)
を夢に見て後での話しに、
此
(
この
)
間も
嫗
(
ばば
)
に真夜中
頃
(
ごろ
)
入歯を飛出さして笑ったぞ、コレ珠運、オイ是は
仕
(
し
)
たり
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
「
婆
(
ばば
)
、光あどうしたんだんべい、変だのう」此れは右の事があって十四五日してから万作が
嚊
(
かか
)
に話した言葉だ。何さま変だ。昔から妙な
児
(
こ
)
であったが、近来は殊に変だ。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「マアお上んなさい。こんな汚いところで、坐るところもありゃしません。それに
嚊
(
かか
)
はいませんし、ずっと、男世帯で、気味が悪いですけれど、マア奥へお通んなさい。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「
嚊
(
かか
)
あの奴も、頭が痛いなんぞといって、今朝から寝込んでしまいました」
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そうだ、あしたはまた、その御主人のお供で、朝から狩場
巡
(
めぐ
)
り、お帰りにはまた、庄内川で水馬や水泳のお稽古だろうて。——お
嚊
(
かか
)
おれも
野駈
(
のが
)
けの支度だぞ。
膝行袴
(
たっつけ
)
の
紐
(
ひも
)
や
草鞋
(
わらじ
)
を見ておけよ」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御者は
框
(
かまち
)
に
息
(
いこ
)
いて巻き
莨
(
たばこ
)
を
燻
(
くゆら
)
しつつ茶店の
嚊
(
かか
)
と
語
(
ものがた
)
りぬ。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ジャック・スプラットとその
嚊
(
かか
)
さ。
まざあ・ぐうす
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
こちのお
嚊
(
かか
)
もどんと
殖
(
ふや
)
せ
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
嚊
(
かか
)
あの
悋気
(
りんき
)
、いや、いっち怖いは
成吉思汗
(
ジンギスカン
)
様の一睨み——おや! これでもお笑いにならない。
若き日の成吉思汗:――市川猿之助氏のために――
(新字新仮名)
/
林不忘
、
牧逸馬
(著)
まあそこらの
塵埃
(
ごみ
)
のなさそうなところへ坐ってくれ、油虫が
這
(
は
)
って行くから用心しな、野郎ばかりの家は
不潔
(
きたない
)
のが
粧飾
(
みえ
)
だから仕方がない、
我
(
おれ
)
も
汝
(
おまえ
)
のような好い
嚊
(
かか
)
でも持ったら
清潔
(
きれい
)
にしようよ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ガア/\
喚
(
わめ
)
く
嚊
(
かか
)
アがくたばつて
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
お
婆
(
ばば
)
も
来
(
こ
)
、お
嚊
(
かか
)
も後押せ
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
嚊
(
かか
)
アとばばア。」
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
嚊
漢検1級
部首:⼝
17画
“嚊”を含む語句
嚊々
嚊大明神
嚊々左衛門
嚊声
嚊天下
嚊左衛門
嚊座
嚊様
嚊殿
嚊等