双眼鏡そうがんきょう)” の例文
秀吉ひできちはこれにたいして、なんともいわず、ればるほど宇宙うちゅうひろいので、ただためいきをもらしながら、双眼鏡そうがんきょうたけちゃんにかえして
さか立ち小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
次にそれがだんだん明るくなってちょうど双眼鏡そうがんきょうの度を合せるように判然と眼に映じて来る。次にその景色けしきがだんだん大きくなって遠方から近づいて来る。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
クーパーは双眼鏡そうがんきょうをとって、ずっと前方を見ていたが、かれの顔色は、だんだんと青くなっていった。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
目金めがね屋の店の飾り窓。近眼鏡きんがんきょう遠眼鏡えんがんきょう双眼鏡そうがんきょう廓大鏡かくだいきょう顕微鏡けんびきょう塵除ちりよ目金めがねなどの並んだ中に西洋人の人形にんぎょうの首が一つ、目金をかけて頬笑ほほえんでいる。その窓の前にたたずんだ少年の後姿うしろすがた
浅草公園:或シナリオ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
予は持て居た双眼鏡そうがんきょうかざした。前なるかしほろの内は、丸髷に結って真白まっしろに塗った美しい若い婦人である。後の車には、乳母うばらしいのが友禅ゆうぜんの美しい着物に包まれた女の児をいて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
四十を越したか越さない位の、背の低い男であったが、私はふと彼の手にした双眼鏡そうがんきょうに目を止めた。私の不審そうな視線に、男は人なつこそうな笑いをちらりと見せて、はっきりした声で言った。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
家主やぬしは、戦争中せんそうちゅうたけ生活せいかつをしたひとから、時計とけいや、双眼鏡そうがんきょうや、空気銃くうきじゅうなどやすったのだと、やはり酒屋さかやのおじさんがいっていました。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
博士は、車を停めると、双眼鏡そうがんきょうをとりだして、新手あらての人造人間部隊をじっとにらんでいたが
人造人間の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ばんに、ぼくたち、双眼鏡そうがんきょうで、そらほしるから、秀吉ひできちくんもあそびにきたまえね。」と、たけちゃんがいいました。
さか立ち小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
あ、今、何かがあったらしい。甲板上を走る水兵の眼の中にも、何かあったらしい事が、よく見える。艦橋には、艦長以下幕僚ばくりょうたちが全部集って、しきりに双眼鏡そうがんきょうのぞいている。
沈没男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
秀吉ひできちは、双眼鏡そうがんきょうというものを、はじめて、のぞいたのでした。しかしつき世界せかい秘密ひみつ肉眼にくがん以上いじょうに、わからなかったのでした。いくらか、はっきりするぐらいなものです。
さか立ち小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
双眼鏡そうがんきょうで、おそるおそる研究所の方を見まもっていた検事が、そばの署長にささやいた。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
スミス警部は、首にかけた双眼鏡そうがんきょうのつり革をいじりながら、ひとりごとをいった。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「その島の形じゃが、わしにはよく見えんでのう。これは八倍の双眼鏡そうがんきょうだがね」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「よし、君が写真をとるあいだ、ぼくは、双眼鏡そうがんきょうでちょっくら見物しよう」
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼は、双眼鏡そうがんきょうをとりあげ、光る怪塔へぴったりとつけた。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)