千萬せんばん)” の例文
新字:千万
ひつくすべくもあらず、秋草あきぐさ種々くさ/″\かぞふべくもあらじかし。北八きたはち此作このさくごときは、園内ゑんないちらばつたる石碑せきひ短册たんじやく一般いつぱん難澁なんじふ千萬せんばんぞんずるなり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
アヽ左様さやうかい、汁粉しるこくひたのか、それうも千萬せんばんかたじけないことだ、サ遠慮ゑんりよせずにこれからあがれ、履物はきものわきはう片附かたづけて置け。「へい。「サ此方こつちあがれ。「御免下ごめんくださいまして。 ...
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ういふふうで一時間じかんたち二時間じかんつた。どく千萬せんばんなのは親父おやぢさんで、退屈たいくつで/\たまらない。しかしこれも我兒わがこゆゑと感念かんねんしたか如何どうだかしらんが辛棒してそのまゝすわつてた。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
けつして御心遣ひなく何時まで緩々ゆる/\と御逗留とうりう成れまし然ながら斯樣申せば何とも失禮しつれい千萬せんばんなれども永々なが/\の御逗留とうりうと云ことには御良人おつれあひの御病氣にて御物入おんものいり莫大ばくだいならん縱令たとへ餘計よけい御貯おんたくはへ有とも斯して在れなば追々おひ/\のこり少なになり旅先たびさきは別て心細こゝろぼそくも思ふものなり金銀は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)