すぐれ)” の例文
うかゞへば女の化粧けしやうする動靜やうすなり何心なくのぞこめば年の頃は十八九の娘の容色きりやうすぐれ美麗うつくしきが服紗ふくさより一ツの金包かねつゝみを取出し中より四五りやうわけて紙に包み跡を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
若し下女すぐれ多言くちがましくて悪敷者あしきものなれば早く追出すべし。箇様かようの者は必ず親類の中をも言妨いいさまたげて家を乱す基と成物なるもの也。恐るべし。又卑者いやしきものを使ふには気に合ざる事多し。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
がりいたし候處、すぐれたる散歩に相叶、洋醫も大に悦び、雨ふりには劒術をいたし候、又は角力を取候、何右等の力事ちからごとをいたし候樣申きけ候得共、是は相調かなひ申段相答候へば
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
境勝固天真 きょうすぐれることはもとより天真てんしんにして
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一 身のかざりも衣裳の染色模様なども目にたゝぬ様にすべし。身と衣服とのけがれずしてきよげなるはよし。すぐれきよらを尽し人の目に立つ程なるはあしし。只我身に応じたるを用べし。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
さて管伴ばんたう忠兵衞は歸ると其儘今日の始末しまつおちなく話したりけるに主個あるじ夫婦ふうふはほゝ容貌きりやうばかりか心操こゝろばえも又其素生すじやうすぐれたる女で有らば言分なし追て𫥇人なかうどを立表向つかはすなれどぜんいそげ且は一子せがれにも安心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)