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円滑
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えんかつ
ふりがな文庫
“
円滑
(
えんかつ
)” の例文
旧字:
圓滑
円滑
(
えんかつ
)
円滑と云うが、円滑の意味も何もわかりはせんよ。迷亭が金魚麩ならあれは
藁
(
わら
)
で
括
(
くく
)
った
蒟蒻
(
こんにゃく
)
だね。ただわるく
滑
(
なめら
)
かでぶるぶる
振
(
ふる
)
えているばかりだ
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼等は言う、今日の生活は余りにも殺風景なものであり、これを美化して
円滑
(
えんかつ
)
ならしむるものは芸術であると。然り芸術は彼等にとっては一種の享楽にすぎない。
童話に対する所見
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
水車
(
すいしゃ
)
の運動はことなき
平生
(
へいぜい
)
には、きわめて
円滑
(
えんかつ
)
にゆくけれど、なにかすこしでも
輪
(
わ
)
の
回転
(
かいてん
)
にふれるものがあると、いささかの
故障
(
こしょう
)
が
全部
(
ぜんぶ
)
の働きをやぶるのである。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
その踊り子は首を左に
傾
(
かたむ
)
けているうちに、急に驚いたように首を右に
傾
(
かたむ
)
け直すのだった。首を、その逆に右から左へ傾け直す
行動
(
モーション
)
は自然に
円滑
(
えんかつ
)
に行われるのだった。
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
同じ
軒下
(
のきした
)
に住んでいる祖父母と叔父夫婦との仲がとかく
円滑
(
えんかつ
)
を欠き、——
仕切戸
(
しきりど
)
の堅く
閉
(
とざ
)
されたのもそのためらしかった——この親子の二家族も別々になっていた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
▼ もっと見る
けれど、いくらかんたんにされても、なれなれしくあつかわれても、ひとりでに使者のからだは
固
(
かた
)
くなってヤアに
対
(
たい
)
して、オウというような
円滑
(
えんかつ
)
なへんじはできないで
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私のごちゃごちゃの
忿懣
(
ふんまん
)
が、たちまち手近のポチに結びついて、こいつあるがために、このように諸事
円滑
(
えんかつ
)
にすすまないのだ、と何もかも悪いことは皆、ポチのせいみたいに考えられ
畜犬談:―伊馬鵜平君に与える―
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
加之
(
それに
)
、承われば此頃では
諸事
(
しょじ
)
円滑
(
えんかつ
)
に運んで居るとやら、
愚痴
(
ぐち
)
は最早言いますまい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
宗匠
(
そうしょう
)
は
先
(
ま
)
ずその場を
円滑
(
えんかつ
)
に、お豊を安心させるようにと話をまとめかけた。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
維新前後の
吾身
(
わがみ
)
の
挙動
(
きょどう
)
は一時の
権道
(
けんどう
)
なり、
権
(
か
)
りに
和議
(
わぎ
)
を講じて
円滑
(
えんかつ
)
に事を
纏
(
まと
)
めたるは、ただその時の
兵禍
(
へいか
)
を恐れて人民を
塗炭
(
とたん
)
に救わんが
為
(
た
)
めのみなれども、本来
立国
(
りっこく
)
の要は
瘠我慢
(
やせがまん
)
の一義に
在
(
あ
)
り
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
時勢
(
じせい
)
の
然
(
しか
)
らしむるところとは申しながら、そもそも勝氏が一身を以て東西の間に
奔走
(
ほんそう
)
周旋
(
しゅうせん
)
し、内外の
困難
(
こんなん
)
に
当
(
あた
)
り
円滑
(
えんかつ
)
に事を
纒
(
まと
)
めたるがためにして、その
苦心
(
くしん
)
の
尋常
(
じんじょう
)
ならざると、その
功徳
(
こうとく
)
の
大
(
だい
)
なるとは
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
人間的には、両方とも、好きでも嫌いでもない程度につきあっているし、藩務も
円滑
(
えんかつ
)
に行っているが、九郎兵衛の眼から見ると、どこやら内蔵助はまだ乳くさい気がしてならない。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
円
常用漢字
小1
部首:⼌
4画
滑
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
“円”で始まる語句
円
円髷
円座
円柱
円顔
円朝
円形
円味
円屋根
円卓