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先鞭
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せんべん
ふりがな文庫
“
先鞭
(
せんべん
)” の例文
斯
(
か
)
うなると、いよ/\怪しいのは越後屋の養子の金次郎ですが、お神樂の清吉に
先鞭
(
せんべん
)
をつけられては、今更何うすることも出來ません。
銭形平次捕物控:159 お此お糸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「囲碁」や「能楽」のように西洋人に
先鞭
(
せんべん
)
をつけられないうちにだれか早く相撲の物理学や生理学に手をつけたらどうかと思うのである。
相撲
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
いま一歩という手前でみんごと
先鞭
(
せんべん
)
を打たれましたので、常勝将軍の右門もおもわず歯ぎしりをかんでしまいました。
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
今われわれは、ようやく宇宙旅行の
先鞭
(
せんべん
)
をつけ、
宇宙尖兵
(
うちゅうせんぺい
)
としてこうして大宇宙に乗りだしたが、既に時機が遅くはなかったかと心配しているのだ。
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ビングが北斎伝出版の計画は
此
(
かく
)
の如くゴンクウルの
先鞭
(
せんべん
)
を
着
(
つく
)
る所となりしがため中止するのやむなきに至れりといふ。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
乃
(
そこ
)
でペインに「小生も
貴君
(
きくん
)
と同様の事業を
企
(
くはだ
)
て居り候へども、貴君の
既
(
すで
)
に之を完成されたるは結構千万の儀にて、
先鞭
(
せんべん
)
の功は小生よりお譲り
可申
(
まうすべく
)
云々
(
うんぬん
)
」
リチャード・バートン訳「一千一夜物語」に就いて
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私は常に誰かに
先鞭
(
せんべん
)
をつけられさうなことを気遣つて、だから
年端
(
としは
)
のゆかぬ雪子にどうかして一日も早く意中を明かしたいと、ひとりくよ/\胸を痛めた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
そして自ら朝鮮を侵略して行ったこの
猿
(
さる
)
英雄は一度でそれが懲らしうるつもりで、まず二十六人の「侵略者」を長崎の
立山
(
たてやま
)
で
磔刑
(
はりつけ
)
にし、虐殺の
先鞭
(
せんべん
)
をつけた。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
函館時報社の飛行機に
先鞭
(
せんべん
)
を付けられて、
地団太
(
じだんだ
)
を踏んでいた小樽タイムス社と、その後援者ともいうべき谷山家の援助を受けまして、
畳
(
たたみ
)
ボートと、食糧と
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その先着者を出し抜いて、事ごとに
先鞭
(
せんべん
)
を着けようとする英国公使の態度は、ハリス以来日本の親友をもって任ずるファルケンボルグにこころよいはずもない。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
今は学問
場裡
(
じょうり
)
に彼我併立の勢を成して、今後我学者の
勉
(
つとむ
)
る所は唯
彼
(
か
)
れに対して
先鞭
(
せんべん
)
を
着
(
つく
)
るに在るのみ。
人生の楽事
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
報道の
先鞭
(
せんべん
)
をつけておくためと、読者の好奇心をあおるためとに、いち早くあれだけの記事を載せて、田川夫人からさらにくわしい消息の来るのを待っているのだろう。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
私の思うのには、村右衛門が
河原物
(
かわらもの
)
といわれた役者の階級打破に
先鞭
(
せんべん
)
を附けたものです。
江戸か東京か
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
万々
(
ばんばん
)
失策に出で候て、私共同志の者ばかり
募
(
つの
)
り候も、三十人、五十人は得べくに付き、これを率いて天下を横行し、
奸賊
(
かんぞく
)
の頭二ツ三ツも獲候上にて、戦死
仕
(
つかまつ
)
り候も、勤王の
先鞭
(
せんべん
)
にて
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
師匠は五体
揃
(
そろ
)
っているのですから、何んとなく手放しにくいような
容子
(
ようす
)
が見えましたが、元々私がこの事件には
先鞭
(
せんべん
)
を附けている手柄もあることを師匠も充分承知していることだから
幕末維新懐古談:34 私の守り本尊のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
ただわしは幸運な
先鞭
(
せんべん
)
をつけたというまでだよ。だが幸運には違いない。殊にこの世界大戦のさなかに、日本人のわしがそれを発見したというのは、何か厳粛な天意のような気がする。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
誰か
先鞭
(
せんべん
)
をつける者が、もう出なければならぬ時だ、志士論客が
殖
(
ふ
)
えるばかりで、実際に事を示す者がなければしようがない、成る成らぬは別だ、おそらく成就はせぬだろうが、一拳を
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
知らず知らずにその
先鞭
(
せんべん
)
をつけたのは、オリヴィエだった。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
かういふ風であるから大人に成つて後東京の者は
愛嬌
(
あいきょう
)
があつてつき合ひやすくて何事にもさかしく気がきいて居るのに反して田舎の者は甚だどんくさいけれどしかし国家の大事とか一世の大事業といふ事になるとかへつて田舎の者に
先鞭
(
せんべん
)
を
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
それに
先鞭
(
せんべん
)
を着けたのはフランスのベルリオーズで、「幻想交響曲」「ハロルド」その他の諸作が、あいついで世界の楽壇を驚かした。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
西洋人に
先鞭
(
せんべん
)
をつけられないうちに、一日も早くオリジナルで芸術的でしかも大衆的におもしろい俳諧連句的映画の創作に着手する事を切望するものである。
音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
さすがにポーはこのトリックにも
先鞭
(
せんべん
)
をつけている。
探偵小説の「謎」
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかし私の希望するところはだれか日本人でこの方面に
先鞭
(
せんべん
)
をつけてくれる人があればいいと思うのであるが、日本ではたいてい西洋の学者がまずやり始めて
日常身辺の物理的諸問題
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
して居るうちに
先鞭
(
せんべん
)
をつけられて、あたら溜飮を下げそこねたわけだよ
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“先鞭”の意味
《名詞》
さきがけ、ぬけがけ、先手。
(出典:Wiktionary)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
鞭
漢検準1級
部首:⾰
18画
“先”で始まる語句
先
先刻
先方
先生
先達
先鋒
先日
先祖
先途
先手