倉庫そうこ)” の例文
倉庫そうこ屋根やねもあんまりのその怒りように、まさかこんなはずではなかったと言うように少しあきれて、だまってその顔を見ていました。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
終戦のときには、西口家の倉庫そうこにも、軍の物資ぶっし天井てんじょうまで積みあげてあるといううわさもあったが、ほんとうかうそかさえも分からずにすぎている。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
ちょうど、この屋根やねから、うら横切よこぎって、あちらの倉庫そうこ屋根やねへ、電燈線でんとうせんがつづいているのを発見はっけんしました。
ねずみの冒険 (新字新仮名) / 小川未明(著)
昔は倉庫そうこに使われていたのですが、今は道路とのさかいの板壁もとりはらわれて、なんの目ざわりになるものもなく、そのへんいったい、一目で見わたせます。
青銅の魔人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「ええ、ただそりゃボエエムなの。下宿げしゅくも妙なところにいるのよ。羅紗屋らしゃや倉庫そうこの二階を借りているの。」
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そしてまた、高い起重機きじゅうきや、ドックや、大きな倉庫そうこや、兵器庫や、弾薬庫だんやくこや、つなよりや、岩にあたってくだけたために使われなくなっている大きなドックなどを見ました。
機械人間ロボットは、ひとりで上に動きだすはずはないのだ。いや、待てよ。地階ちかい倉庫そうこに、古い型の制御台が一つしまってあった。あれをだれかが使って、機械人間をあやつっているのかな
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
やがて曲馬団きょくばだんの一行を乗せた汽車は出発しゅっぱつしてしまいました。一人あとにのこされた新吉はがっかりしてその場につっ立っていました。まもなく曲馬の荷物にもつ倉庫そうこの方へ引かれて行きました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
倉庫そうこのようなふるものむかしのまゝにまうけてあるといふふうであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
いつかきりがはれてそら一めんの星が、青やだいだいやせわしくせわしくまたたき、こうにはまっ黒な倉庫そうこ屋根やねわらいながら立っておりました。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
おなじような倉庫そうこならんでいるので、どれがそれであったかとまよいましたが、たしかに、それとおもった倉庫そうこのとびらのまえにたたずみ、やがてしてひらきました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
倉庫そうこの秘密
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
突然とつぜんこうのまっ黒な倉庫そうこが、空にもはばかるような声でどなりました。二人はまるでしんとなってしまいました。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
幸三こうぞうは、つつみについてみなみへゆきますと、両側りょうがわに、倉庫そうこばかりのならんだところへました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
倉庫そうこ
もくねじ (新字新仮名) / 海野十三(著)
幸三こうぞうは、倉庫そうこがちがったのでないかと、あたりをまわしますと、番号ばんごうおなじければ、すべての記憶きおくおなじでありましたから、社長しゃちょうにおにかかって、少年しょうねんのことをたずねようとおもいました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)