令夫人れいふじん)” の例文
しつの、其処そこに五にんた。著名ちよめいなる新聞記者しんぶんきしや審査員しんさゐん——画家ぐわか文学者ぶんがくしや某子爵ぼうししやく令夫人れいふじん一人ひとり。——そのた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
午飯おひるに、けんちんをべていた。——なつことだし、先生せんせい令夫人れいふじん心配しんぱいをなすつて、お實家方さとかたがお醫師いしやだから、玉章ふみいたゞいて出向でむくと、診察しんさつして、打傾うちかたむいて、また一封いつぷう返信へんしよさづけられた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つきて、面影おもかげゆべくは、たれかまた哀別離苦あいべつりくふものぞ。たかれいよ、須臾しばらくあひだかへれ、に。きみにあこがるゝもの、あいらしくかしこ遺兒ゐじたちと、温優貞淑をんいうていしゆくなる令夫人れいふじんとのみにあらざるなり。
芥川竜之介氏を弔ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そのときだつけか、あとだつたか、春葉しゆんえふあひひとしく、まぐろの中脂ちうあぶらを、おろしでへて、醤油したぢいで、令夫人れいふじんのお給仕きふじつきの御飯ごはんへのつけて、あつちやつかけて、さくさく/\、おかはり
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)