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令夫人
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れいふじん
午飯に、けんちんを
食べて
吐いた。——
夏の
事だし、
先生の
令夫人が
心配をなすつて、お
實家方がお
醫師だから、
玉章を
頂いて
出向くと、
診察して、
打傾いて、
又一封の
返信を
授けられた。
月を
見て、
面影に
代ゆべくは、
誰かまた
哀別離苦を
言ふものぞ。
高き
靈よ、
須臾の
間も
還れ、
地に。
君にあこがるゝもの、
愛らしく
賢き
遺兒たちと、
温優貞淑なる
令夫人とのみにあらざるなり。
その
時だつけか、あとだつたか、
春葉と
相ひとしく、まぐろの
中脂を、おろしで
和へて、
醤油を
注いで、
令夫人のお
給仕つきの
御飯へのつけて、
熱い
茶を
打つかけて、さくさく/\、おかはり