まぜ)” の例文
勿論もちろん僕らの家でも客があると折々は日本料理の間へ西洋料理の一品二品をまぜる事もあるし、あるいは全く西洋料理にする事もある。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「ああなると、手のつけようも、足のつけようもありませんね、さすがの北原君でもまぜっ返す隙が無いじゃありませんか」
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
○此地の人、上食はあはひえ小豆をもまぜくらふ。下食は粟糠あはぬかひえ乾菜ほしななどまじえて喰ふ、又とちしよくとす。
今も今とて打出しの見物衆にまぜつてね、皆の評判を聞いて帰つたんでげすが、十人が十人『どうだい、今度の幸四郎の出来は』と言つて、賞めちぎつてゐまさあ。
これは比較的真面目まじめな忠告であった。この忠告の最中は、さすがの獰悪派どうあくはもおとなしくまぜっ返しもせずに聞いていた。その惰性で忠告が済んだあとも、一時は静であった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
次郎兵衛と勝行の二人は人まぜもせずに斬り結んだ。双方とも手傷が多くなって来た。市右衛門は次郎兵衛の後へそっと往ってその両足へ斬りつけた。次郎兵衛は仰向けに倒れた。倒れながら
八人みさきの話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
どうも富田君はまぜっ返すから困る。かくそれから下女が下女でなくなった。宮沢は直ぐに後悔した。職務が職務なのだから、発覚しては一大事だと思ったということは、僕にも察せられる。
独身 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そして目まぜで病院の外へ誘い出した。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
そのなかに一人の若い大学教授がまぜつてゐたが、娘はこの男が気に入つて嬉しい恋仲になつた。
一年ひとゝせ四月のなかば雪のきえたるころ清水村の農夫のうふら二十人あまりあつまり、くまからんとて此山にのぼり、かの破隙われめうろをなしたる所かならず熊の住処すみかならんと、れい番椒烟草たうがらしたばこくきたきゞまぜ
その代り大牛になりますと牝の肉が良いので牡はほとんど食用になりません。市中では折々牡の肉をまぜて売る事がありますけれども牡の肉はこわくって味がなくってとてもたべられません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
冗談じょうだんじゃねえ、芸をやる時はこれでも俺らは真剣なんだ、ひやかしたり、まぜっ返したりすると芸に身が入らねえや、芸に身が入らなければ、見ている奴も面白くねえし、やっている当人も面白くねえや
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そして伊都子は眼まぜして
夜の構図 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
吸物の淡いのは食塩を加えて直ぐに味を直せますけれども鹹過からすぎたのへお湯を注すとまるで味が抜けてしまいます。からい田舎味噌は摺鉢で摺る時少しばかりお砂糖をまぜると美味しくなります。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ほめるのだか、まぜっ返すのだかわからない。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
まぜて砂と一所に炒るのです。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)