予想よそう)” の例文
旧字:豫想
そのとしは、りんごにむしがつかずよくみのって、予想よそうしたよりも、おおくの収穫しゅうかくがあったのであります。むら人々ひとびとは、たがいにかたらいました。
牛女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
神官しんかん祭壇さいだんにこう祈祷きとうしたが、あのハズミで飛んだ一ぺん木太刀きだちが、まッたく予想よそうもせぬ風雲ふううんを地上からむかえにいったものになろうとは、おそらく
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
らに第二の徳川政府を見るにぎざるべしと一般に予想よそうしたるも無理むりなき次第しだいにして、維新後いしんご変化へんかあるいは当局者においてはみずから意外いがいに思うところならんに
とうさんは袖子そでこにいさんたち学校がっこうからかえって場合ばあい予想よそうして、むすめのためにいろいろ口実こうじつかんがえた。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
でもなぜ不幸ふこうが来なければならないか、それをまえから予想よそうすることはできなかった。だがどのみち、それのやって来ることはうたがうことのできない事実のように思われてきた。
石狩川いしかりがわでとれたさけがつみこんであったので、自分は、キラキラと銀色ぎんいろに光るうろこの山を予想よそうしたのだったが、ランプの光は、ただ、ぼんやりとやみの中にとけこんでしまって
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
大きな人間社会の運行うんこうの中では、まったくどうでもいいような、そうした小さなできごとの予想よそうが、どうしてこれほどまでに自分をまごつかせ、自分の不断の心の修練を無力にするのか。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
は、まれてなか予想よそうをしなかったほど、複雑ふくざつなのにあたまなやましました。そして、空恐そらおそろしさにふるえていました。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
見物けんぶつの者は、はじめからこの早駆はやがけ勝負の結果けっかを見くびっていたが、はたして、その予想よそうははずれなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太刀たちに水をそそぐであろうと、予想よそうするだけでも、みんなのいきがつまってくる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)