-
トップ
>
-
りやうたん
理科大學人類學教室には磨製石斧三百
個計り有れど、
兩端に刄有るものは
唯一
個のみ。コロボックルは磨製石斧を
何の
目的に用ゐしや。
余の
發見したのは
此三
種の
例外で、
突起の
無いのである。
其代り、
兩端に
二箇宛の
小孔が
穿つてある。
紐に
類した
物を
通して、それを
抓む
樣にしたのかも
知れぬ。
天葢というても
兩端が
蕨のやうに
捲れた
狹い
松板を二
枚十
字に
合せたまでのものに
過ない
簡單なものである。
煤けた
壁には
此れも
古ぼけた
赤い
曼荼羅の
大幅が
飾のやうに
掛けられた。
此の
朝になつてからもお
品の
容態がいゝので
勘次はほつと
安心した。さうして
斜に
遠くから
射す
冬の
日を
浴びながら
庭葢の
上に
筵を
敷いて
俵を
編みはじめた。
薦つくこは
兩端に
足が
附いて
居る。