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らうそう
差遣はすべし山中に
地獄谷と云處あり
此所にて兩人を
谷底に
突落して殺し給へ必ず
仕損ずる事あるまじ其
留守には
老僧天一を片付申すべし年は
老たれどもまだ一人や二人の者を
番丙 これなる
老僧は、
顫へながら
溜息を
吐き、
涙を
流してをりまする。
只今墓場から
參るところを
取押へて、これなる
鋤と
鶴嘴とを
取上げました。
老叟は
笑つて『さう言はるゝには
何か
證據でも
有のかね、
貴君の
物といふ
歴とした
證據が有るなら
承はり
度いものですなア』
静坐
稍久し、無言の妙漸く熟す。暗寂の好味
将に佳境に進まんとする時、破笠弊衣の一
老叟わが前に顕はれぬ。われ
依ほ無言なり。彼も唇を結びて物言はず。
老叟は
靜かに石を
撫でゝ、『
我家の石が
久く
行方知ずに居たが先づ/\
此處にあつたので
安堵しました、それでは
戴いて
歸ることに
致しましよう。』
すると
一日一人の
老叟が
何所からともなく
訪ねて來て
祕藏の石を見せて
呉れろといふ、イヤその石は
最早他人に
奪られて
了つて
久しい以前から無いと
謝絶つた。