“よな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヨナ
語句割合
世馴59.5%
世慣11.9%
夜泣9.5%
世並4.8%
4.8%
2.4%
夜啼2.4%
夜延2.4%
夜鳴2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言わずともわが身——世馴よなれぬ無垢むく乙女おとめなればこうもなろうかと、彼女自身がそうもなりかねぬ心のうちを書いて見たものと見ることが出来よう。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「きつねは、りこうで世慣よなれてる、世間せけんでたっとばれてる」と、こう考えたので、猫は、あいそうよく狐に話しかけました。
そう申しては口幅っとうございますが、先ずこう申す五郎助七三郎が筆頭で、それから夜泣よなきの半次はんじさかずり金蔵きんぞうけむり与兵衛よへえ節穴ふしあな長四郎ちょうしろう。それだけでございます
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
いかに世並よなみが悪いといっても、凶作飢饉ききんというでもないのですから、大の男がざるや風呂敷を持って三升の米を貰う行列に加わるわけにもいかず、女子供に限ったのは
胆吹は気象が少々荒びていた、ここの空気はよなげられている。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
四八じゆこそ鬼になり給ひつれと、連忙あわただしく逃げさりぬるのちは、よな々里に下りて人を四九驚殺おどし、或は墓をあばきてなま々しきかばねくらふありさま、まことに鬼といふものは昔物がたりには聞きもしつれど
しばらく佇んで見守っていたが、屋台のあるじが夜寒よさむの不景気を歎くように、悲しく細ぼそと夜啼よなきそばの叫び声を呼びつづけているばかりで、ついにひとりも客は這入らなかった。
老中の眼鏡 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
堆肥たいひ製造には持て来いの季節、所謂寒練かんねりである。夜永の夜延よなべには、親子兄弟大きな炉側ろばたでコト/\わらっては、俺ァ幾括いくぼおめえ何足なんぞくかと競争しての縄綯なわな草履ぞうり草鞋わらじ作り。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
つくねんと立ちながら、ポソポソ話し合っていると、春寒はるさむの夜はヒッソリ更けて、犬の遠吠とおぼえ按摩あんまの笛、夜鳴よなきうどんに支那蕎麦しなそばのチャルメラ……ナニ、そんなのアないが、とにかく、深更である。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)