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ばじやう
別るゝ
時一掬の
雪を
取つて、
昌黎に
與へて
曰く、
此のもの
能く
潮州の
瘴霧を
消さん、
叔公、
御機嫌ようと。
昌黎馬上に
是を
受けて
袖にすれば、
其の
雪香しく
立處に
花片となんぬとかや。
頭あるもの
腰を
拔かして、ぺた/\と
成つて
瞪目して
之を
見れば、
頭なき
將軍の
胴、
屹然として
馬上にあり。
胸の
中より
聲を
放つて、
叫んで
曰く、
無念なり、
戰利あらず、
敵のために
傷はれぬ。