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ねらひ
そこへ追つて来たおくまは岩に片足をかけて
狙を
定めて
引きがねを引くとズドーンとこだまして
筒をはなれた
弾丸は
旅人の
髪をかすつて
向うの
岩角にポーンと
当りました。
此の
勢に
乘じて、
立所に
一國一城の
主と
志して
狙をつけたのは、あらう
事か、
用人團右衞門の
御新姐、おくみと
云ふ
年は
漸う
二十と
聞く、
如何にも、
一國一城に
較へつべき
至つて
美しいのであつた。
彼は
内職に
飼つた
豚が
近頃子を
生んだので
他人が
覘はせぬかと
懸念しつゝあつたのである。おつぎは
何處でも
構はぬと
土手の
篠を
分けて
一つ/\に
蜀黍の
穗を
力の
限り
水に
投じた。