“とりもち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鳥黐30.4%
取持23.9%
周旋10.9%
執持10.9%
斡旋6.5%
取用4.3%
媒介4.3%
接待2.2%
紹介2.2%
2.2%
2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あのお楽ときた日には大変さ。ただもうネットリして、にかわでねって、鳥黐とりもちでこねて、味噌で味を付けたようだよ」
遊興の取持とりもちを勤めと心得ているらちもないてあいばかりだが、新規に目附になった押原右内おしはらうないという男は、お家騒動で改易になった越後えちごの浪人者で
鈴木主水 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
で、恋なればこそごとなき身を屈して平生ひごろの恩顧を思ふての美くしき姫を麿に周旋とりもちせいと荒尾先生に仰せられた。荒尾先生ほとほと閉口した。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
畔柳元衛くろやなぎもとえの娘静緒しずおやかたの腰元に通勤せるなれば、今日は特に女客の執持とりもちに召れて、高髷たかわげ変裏かはりうらよそひを改め、お傍不去そばさらず麁略そりやくあらせじとかしづくなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
おいらのようなものにお頼みなさるんだから、早く両児ふたりを片付けて上げようと存じまする親切で、直ぐ越佐さんの方へ参りまして斡旋とりもちを致すと
幕府正議せいぎまるに御取用とりもちいこれ無く、夷秋いてきは縦横自在に御府内を跋扈ばっこ致し候えども、神国未だ地に墜ち申さず、上に聖天子あり、下に忠魂義魄ぎはく充々致し候えば
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
『印度の炭山の旦那のお媒介とりもちですから、何卒末長く白ツぱくれない樣に……』
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
接待とりもちの村嬢や酌婦おんななどが、銚子を持って右往左往し、拒絶ことわる声、進める声、からかう声、笑う声、景気よさは何時いつまでも続いた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いや全く今夜という今夜は、一方ならぬお接待とりもち、何とお礼申してよいやら、嘉門大満足の大恭悦、猪之松殿ほんに嬉しいことで
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
きゝつひに彌次六の紹介とりもちにて天一坊に對面たいめんげ是も主從のやくをぞむすびける是より彌次六は只管ひたすら天一坊を世にいださんものとふかく思ひこみ兎角とかくして金子を調達てうだつせんと右門にも内談ないだん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「下手な道中稼ぎなんぞするよりや、棒つ切の先へとりもちをつけの、子供と一しよに賽銭箱さいせんばこのびた銭でもくすねてゐりや好い。」
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そこでとりもちで獲った鴨を、近所の鳥屋から二羽買って来させることにした。すると小杉君が、「鉄砲疵が無くっちゃいけねえだろう、こゝで一発ずつ穴をあけてやろうか」
鴨猟 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)