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鳥黐
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とりもち
ふりがな文庫
“
鳥黐
(
とりもち
)” の例文
船舳に猛烈な衝動を感じたと思った瞬間、ラ・メデュウズは船底を砂岩に摩りつけながら、
鳥黐
(
とりもち
)
のような浮洲に完全に乗りあげてしまった。
海難記
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「あのお楽ときた日には大変さ。ただもうネットリして、
膠
(
にかわ
)
でねって、
鳥黐
(
とりもち
)
でこねて、味噌で味を付けたようだよ」
銭形平次捕物控:024 平次女難
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
かれは手甲脚絆の身軽な
扮装
(
いでたち
)
で、長い竹の
継竿
(
つぎざお
)
を持っていたが、その竿にたくさんの
鳥黐
(
とりもち
)
が付いているのを見て、それが鳥さしであることを半七はすぐに覚った。
半七捕物帳:15 鷹のゆくえ
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
子供をも大人をも本能的に抱き込む、
鳥黐
(
とりもち
)
のような粘り気のある力だった。彼はほっと息をついた。
幻の彼方
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
社のある山の径三町ばかり全山樹をもって蔽われ、まことに神威灼然たりしに、例の基本財産作るとて大部分の
冬青
(
もちのき
)
林を伐り尽させ、神池にその木を浸して
鳥黐
(
とりもち
)
を作らしむ。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
モチの米という名はすでに『
和名鈔
(
わみょうしょう
)
』にも見え、モチという言葉は
鳥黐
(
とりもち
)
も同じに、粘ることを意味したようだが、それだからとて今と同じ餅が、古くからあったとはかぎらない。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
後世ではもっぱら雀をもって鷹の餌となし、その雀を
鳥黐
(
とりもち
)
で差して取りますから、それで
餌差
(
えさし
)
ということになったのですが、昔は鷹の餌は普通死牛馬の肉を用いたものでありました。
融和問題に関する歴史的考察
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「そんな
鳥黐
(
とりもち
)
桶へ足突っこむようなこと、わしらかなわんわ。」とお霜は云った。
南北
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
逃れようとしても逃れられない、それは、
鳥黐
(
とりもち
)
のようなねばり強さであった。
いのちの初夜
(新字新仮名)
/
北条民雄
(著)
ねばいねばい
鳥黐
(
とりもち
)
の輪が、伸縮自在を暗示して、置かれてあるとみなさなければならない。お絹にもそいつは解っていた。解っているだけに身動きも出来ない。心をイラツカせるばかりである。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
鳥黐
(
とりもち
)
のごとし。
平仮名の説
(新字新仮名)
/
清水卯三郎
(著)
「あのお樂と來た日には大變さ。唯もうネツトリして、
膠
(
にかは
)
でねつて、
鳥黐
(
とりもち
)
でこねて、味噌で味を付けたやうだよ」
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
賽錢
(
さいせん
)
泥といふのは、何時の世にもあつたもので、器用なのは
鳥黐
(
とりもち
)
で釣り、荒つぽいのは箱を打ちこはすのですが、見たところ、そんな樣子は少しもありません。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
賽銭泥棒というのは、いつの世にもあったもので、器用なのは
鳥黐
(
とりもち
)
で釣り、荒っぽいのは箱を打ちこわすのですが、見たところ、そんな様子は少しもありません。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“鳥黐”の解説
鳥黐(とりもち)は、鳥や昆虫を捕まえるのに使うゴム状の粘着性の物質。学術上はロウに属する。
(出典:Wikipedia)
鳥
常用漢字
小2
部首:⿃
11画
黐
漢検1級
部首:⿉
22画
“鳥黐”で始まる語句
鳥黐竿