“たんとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
短刀55.6%
坦蕩11.1%
担当11.1%
丹党5.6%
淡蕩5.6%
澹蕩5.6%
鍛刀5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
納屋なやの方でようやく返事がする。足音がふすまむこうでとまって、からりと、くが早いか、白鞘しらさや短刀たんとうが畳の上へころがり出す。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これもっ九天邪きゅうてんじゃるの使つかいもうけ、十悪を罰するのつらね、魑魅魍魎ちみもうりょうをして以て其奸そのかんるる無く、夜叉羅刹やしゃらせつをして其暴そのぼうほしいままにするを得ざらしむ。いわんや清平せいへいの世坦蕩たんとうのときにおいてをや。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
さうして挿絵さしゑ桂舟けいしう担当たんとうするなど、前々ぜん/\の紙上から見るとすこぶ異色いしよくを帯びてました、ゆえこれだいる、我楽多文庫がらくたぶんこ生命せいめいだいまたしばら絶滅ぜつめつしたのです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
また身なりさまざまな二十人の家士も、前後して藤沢方面へ走り、後、奥武蔵の丹党たんとうの間に匿われてきたものだった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中禅寺の幽凄ゆうせいでもなく、霞が浦の淡蕩たんとうでもなく、大沼は要するに水を淡水にし松をなら白樺しらかば其他の雑木にした松島である。沼尻はたきになって居る。沼には鯉、鮒、どじょうほか産しない。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
淡しとは単にとらえ難しと云う意味で、弱きに過ぎるおそれを含んではおらぬ。冲融ちゅうゆうとか澹蕩たんとうとか云う詩人の語はもっともこのきょうを切実に言いおおせたものだろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その兄の鍛刀たんとうと——一世に名匠の聞えの高い水心子正秀の高弟直胤の刀と——何うして較べ物になろう。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)