“どす”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ドス
語句割合
大刀22.7%
短刀18.2%
匕首13.6%
9.1%
癩病9.1%
太刀4.5%
日本刀4.5%
脇差4.5%
鈍刀4.5%
長刀4.5%
長脇差4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と思った途端に、刀はなまりのように重たいばかりの物だった。ひょいと、逃げ口を振り向いた隙に、くそ度胸のある敵の大刀どすが真っ向へ迫った。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
行こうよ、さ、行こうよって、まるで咽喉もとへ短刀どすでも突附けそうな剣幕だ。ああいいとも、じゃ行こうってわけでね、早速連れだって出掛けた。
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「清水の野郎奴! 俺はあいつの首っ玉へ何時かは必ず匕首どすをお見舞申してやるぞ!」
象牙の牌 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
夜の二時頃、枕辺まくらべ近くどすと云った物音ものおとに、余は岸破がばね起きた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
何だ此畜生こんちきしやううぬ何故なんしや此家ここに居る? ウン此狐奴きつねめ、何だ? 寝ろ? カラ小癪な! 黙れ、この野郎。黙れ黙れ、黙らねえか? 此畜生奴、乞食ほいど癩病どす、天理坊主! 早速しらからと出て行け、此畜生奴!
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
太刀どすを抜いて小手調べに柱を斬る、覆面や黒装束にとりかかる、まるで夜討ち仕掛けの有様、血に餓えている狼の舌舐したなめずりを見るようであった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
向こうは、不意を食ろうて、あわてたらしいが、喧嘩の準備は、ちゃんと、出来ちょる。竹槍、日本刀どす、猟銃、ピストル、熊手、出刃、鎌——ようも揃えたもんじゃ。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「くどいことを云ってる間はねえ。どいつも脇差どすを一本ずつッ込んで俺の後にいて来い」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鈍刀どすだ、腕もねえ——さ、口中だ。歯並び、舌の引釣り、せいがあるぞ。」
敵には長刀どすがある。離れればばっさりだ。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
痛い目を我慢して若い頃というものはお互無茶をしたものですな、もっともあの頃はこれでおどしもきいたし、賭場とばにはぐりつけに行っても、この刺青いれずみ長脇差どすの代りになったような事も
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)