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しゆんじ
園は、
今更ながら、
瞬時と
雖も、
心の
影が、
其の
熱に
堪へないものゝ
如く、
不意のあやまちで、
怪我をさした
人に
吃驚するやうに、
銀の
蓋を、ぱつと
取つた。
其の一
瞬時強烈な
光が
横に
東の
森の
喬木を
錆た
橙色に
染めて、
更に
其の
光は
隙間を
遠くずつと
手を
伸した。
冷たく
且薄闇く
成るに
從つて
燒趾の
火が
周圍を
明るくした。
此の
山里を、
汽車の
中で、
殆ど
鳥の
聲を
聞かなかつた
彼は、
何故か、
谷筋にあらゆる
小禽の
類が、
此の
巨な
手の
獵人のために
狩盡されるやうな
思ひして、
何となく
悚然とした。
其も
瞬時で。