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ごりつぷく
どんな
大至急要用でも
封といふを
切つた
事は
無く、
妻とは
言へ
木偶がお
留守居して
居るやうに
受取一通で
追拂つて、それは
冷淡に
投げて
置いたものなれば、
旦那さまの
御立腹は
言はでもの
事
頼むサア/\山崎町へ行油屋へ
押込で遣らんと云故長兵衞と久五郎の兩人は
甚だ
心配なし
先生貴公の
御氣象では
御立腹なさるゝも
御道理なれど先々
能咄合て大ぎやうにならぬ樣に
懸合が宜しく何れにも明日の事に致す
積りなれば
兎も
角も
御鎭まり下されよと漸々に
宥めけり
此家の
内に
一人もなし
老婆さまも
眉毛よまれるなと
憎々しく
言ひ
放つて
見返りもせずそれは
御尤の
御立腹ながら
是れまでのこと
露ばかりも
私知りての
事はなしお
憎しみはさることなれど
申譯の
一通りお
聞き
遊ばして
昔の
通りに
思召してよと
詫入る
詞聞きも
敢へず
何といふぞ
父親の
罪は
我れは