“きせう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
帰樵25.0%
奇峭12.5%
嬉笑12.5%
氣性12.5%
禧笑12.5%
稀少12.5%
起證12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
毛氈まうせん老樹らうじゆもとにしきたばこくゆらせつゝ眺望みわたせば、引舟は浪にさかのぼりてうごかざるが如く、くだる舟はながれしたがふてとぶたり。行雁かうがん字をならべ帰樵きせう画をひらく。
彼独特の領域にして、北欧の風雪がつちかつた奇峭きせう、峻厳、冷酷の気は、あの粗ツぽく力強い筆致に遺憾なく描破されて居る。
文壇一夕話 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
わらひは量的に分てば微笑びせう哄笑こうせうの二種あり。質的に分てば嬉笑きせう嘲笑てうせう苦笑くせうの三種あり。……予が最も愛する笑は嬉笑嘲苦笑と兼ねたる、爆声の如き哄笑なり。
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
小利口こりこうなるはるき性根せうねをやしなうてめんかぶりの大變たいへんものになるもあり、しやんとせし氣性きせうありて人間にんげんたち正直せうぢきなるは、すねもの部類ぶるいにまぎれて其身そのみれば生涯せうがいそんおもふべし
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
然れども彼等はこと/″\暴戻ばうれい悪逆なる者のみにあらず。悉く兇横なる暴威をたくましうする者のみならず。中にはわが枕頭に来つて幼稚なる遊戯をなしつ禧笑きせうする者もあるなり。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
花巻より十余里の路上には町場まちば三か所あり。その他はただ青き山と原野なり。人煙の稀少きせうなること北海道石狩の平野よりもはなはだし。あるいは新道なるがゆゑに民居の来たりつける者少なきか。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
けとおつしやれば起證きせうでも誓紙せいしでもおこの次第しだいさしあげませう、女夫めをとやくそくなどとつても此方こちやぶるよりは先方樣さきさま性根せうねなし、主人しゆじんもちなら主人しゆじんこわおやもちならおやひなり
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)