“おおとり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大鳥21.4%
大鷲21.4%
17.9%
10.7%
大鵬7.1%
鳳凰7.1%
大鳳3.6%
3.6%
3.6%
3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「……大鳥おおとりがひの山に、わが恋ふるいもはいますと人のいへば、岩根いわねさくみてなづみ来し、よけくもぞなき。現身うつそみとおもひしいもが、玉かぎるほのかにだにも見えぬ、思へば。」
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
……一足「大鷲おおとり神社」の境内へ入ると一しょに、辛うじてわたしたちは、それまでの凡常な「縁日」意識からすくわれた。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
それさに肩摩轂撃こくげき、押すなおすなの雑沓を現ずるのだが、何がさて、大慾は無慾に近く、とりにゆくのはとられにゆくので、おおとり神社には初穂をとられ
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
雷横の刀術に、おおとりがいがあれば、赤髪鬼の野太刀にも、羽をつ鷹の響きがあった。赤髪の影が旋風つむじに沈めば、迅雷じんらいの姿が、彼の上を躍ッて跳ぶ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「網中の大鵬おおとりを逃がすな」と、麓の退路を断ちにかかった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おんかずらに高々と、飛ぶ鳳凰おおとり、九ツの龍、七いろの珠などちりばめた金冠を載せ、天然無双の眉目みめのおんほほ笑みを、まばゆいばかりに、こぼしておられる。——その雪のおんはだ美妙みみょうかおり。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金色こんじき大鳳おおとりが屋根によくをひろげている鸞輿らんよともよぶあの御輿おんこしである。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
空をゆくおおとりは地に降り、谷々の岩燕は、瑞雲ずいうんのように、天に舞った。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此処ここには、近くでは、大岸の池というのがあります。あたくし、真っ白なおおとりに乗った、あたくしの水浴みずあみの姿を描きたいのですが、駄目だめですわ——
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ほんのわずかの供廻ともまわりを連れただけで二人は縦横に曠野こうや疾駆しっくしてはきつねおおかみ羚羊かもしかおおとり雉子きじなどを射た。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)