おおとり)” の例文
与謝野晶子よさのあきこさんがまだおおとり晶子といわれた頃、「やははだの熱き血潮にふれもみで」の一首に世を驚したのは千駄ヶ谷の新居ではなかった
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
雷横の刀術に、おおとりがいがあれば、赤髪鬼の野太刀にも、羽をつ鷹の響きがあった。赤髪の影が旋風つむじに沈めば、迅雷じんらいの姿が、彼の上を躍ッて跳ぶ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おおとり」と「朝潮あさしお」とが取組み、一方が一歩を土俵のそとに踏み出せば、それで勝敗を決する規則であるが、世界中を土俵だとすれば、勝敗あるいはところを換えることもあるであろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)